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旬の虫観察会④(12月下旬)

年末も押し迫った日曜日。最後の夜間観察会を行いました。
日没直前の公園に、ひとりまたひとりとメンバーが集まってきます。
こんなに寒いのにみんな物好きですね〜笑。

今回の狙いは通称「フユシャク」。冬の夜間に活動し♀の翅は退化し、性フェロモンで♂を呼び寄せます。虫の少ない冬期でも観察できるので、毎年一度は必ず探しに行く旬の虫です。

しかしこの冬は異変がありました。いつまでたっても気温が下がらず、体感で10日から2週間冬の虫の発生が遅れているのです。何度下見をしても、例年なら出現しているはずのフユシャク類が1匹も見つからず、途方に暮れてしまいました。

結局ダメ元で開催したのですが、この日はサポートのtameさんの虫眼のおかげで、期待していたチャバネフユエダシャクの♀と早々に出会うことができました。通称ホルスタインと言われる花形の虫です。

翅が退化した♀は一見して蛾には見えません。お腹には卵は詰まっています

他にも少ないながらもクロバネフユシャクや交尾中のイチモジフユナミシャクにも出会えました。一方で最優占種のウスバフユシャクは1匹も出ませんでした。
また、夜間に活動するキリガの仲間(ヤマノモンキリガ、カシワオビキリガ、キバラモクメキリガ、キバラモクメキリガ、ホシオビキリガ、フサヒゲオビキリガ)などが見つかり、ちょいレアなキマエキリガも出ました。

翅のカクカクした模様がかっこいいキマエキリガ

冬に手すりや建造物で見つかるナガヒョウホンムシ。この時期の甲虫は貴重なのでうれしいですが、この寒さの中なぜ徘徊しているのでしょう。

体長4−5mm。乾物や穀類のほか鳥の巣などでも繁殖するらしい

終わってみれば充実の観察成果となりましたが、今年の異常気象は夏だけでなく冬にも影響することを実感しました。毎年当たりまえだと思っている虫の出がこんなに乱れると、いつまで観察会をできるのか心配になります。

次回はついに年間コースの最終回。冬の虫を迎えに行きます!


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