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みんなのライナーノーツ#2: 「TEAM SHACHIこそROCKだ!」その2 : 「沸き曲」からみるバズりの考察

全国1億3千万人のTEAM SHACHIファンの皆様こんにちは。
 
前回のライナーノーツ#1においては、ついつい昔のロックを中心とした語り口になってしまい、「あ〜あぁ、痛いオッサンがなんか語っちゃってるよ」と感じられた方も多いでしょう。その反省を踏まえ、今回は「バズり」に焦点をあてながら、「沸き曲」の考察を書いていきます。スガキヤラーメンでも食べてお酒でも飲みながら、読み流してください。

  1. はじめに

今回取り上げる「沸き曲」はご存知の通り、SNSでバズった曲ですね。公式より発表がある前に「飽きもと。さん」からの発信として、待ち合わせ場所で目立って欲しいという動画が話題を呼び、バズりました。

これはTEAM SHACHIメンバーと運営により、入念に練られたバズり計画が見事に成功を納めたわけですが、そもそも「バズる」って何なのか、バズるために必要な条件は、などを改めて考えてみました。

2. バズりの法則とは

自分は広告業界にいるわけでもマーケティングを専門としているわけでもないので、まずは「バズり」についていくつかの記事を読んでみました。そしてその中からSNSでバズるための条件を抜き出し、以下に集約してみました:
a)「新しい情報である」
b)「ギャップや意外性がある」
c)「みんなが興味のある、わかりやすい話題」
d)「かわいい」
e)「つい応援したくなる」
f)「高い話題性」
g)「高いエンタメ性」
h)「短い時間でインパクトを伝える」
i)「動画単体でも楽しめるようにする」
j)「作っただけで終わらせない」
   (佐藤, 2021; インスタラボ編集部, 2023; PROOX, 2023)

3.     アイドル界隈における昨今のバズりの分類
それではこれらのバズりの法則が、最近のアイドル界隈ではどのように当てはまっているのでしょうか?
 
まず圧倒的に(d)「かわいい」を押し出したバズりが一番わかりやすいでしょう。
身近な例だと、
・超ときめき宣伝部「すきっ」
・いぎなり東北産「わざとあざとエキスパート」
・高嶺のなでしこ「可愛くてごめん」
・Fruit Zipper 「わたしの一番かわいいところ」
あたりでしょうか。

これらは当然MVでもキラキラ可愛いが満載ですから、g) 「高いエンタメ性」の要素も満たしていますね。kawaiiはもう英単語として世界共通になりつつありますから、日本文化に興味のある海外の方にもわかりやすく、インバウンド需要が見込めて日本の経済効果にも貢献するわけですね(←飛躍しすぎ)。
 
次に(b) 「ギャップや意外性がある」も大事だと思います。その顕著な例としては
・ばってん少女隊「OiSa」「あんたたがどこさ〜甘口しょうゆ仕立て〜」「でんでらりゅーば」

だと個人的には思っています。OiSaに代表されるような少しミステリアス、なんならおどろおどろしい日本文化の要素を含めたり、日本の民謡をポップに仕上げたり、という最近のアイドルの楽曲にはみられないギャップがバズりの要因になったと思っています(あとメンバー全員のお顔がお強い←)。

そして最後に(f) 「高い話題性」、これが今回の「沸き曲」に相当すると思います。これは言い換えれば、前述の待ち合わせ動画における

「何これ??」「何か変なことやってるよ」「え?アイドル?」

といった興味、関心、話題を引き起こすのに成功したのだと言えます。

また「沸き曲」の素晴らしいところは、バズりの条件の後半の3つである「短い時間でインパクトを伝える」「動画単体でも楽しめるようにする」「作っただけで終わらせない」も満たしています。つまり、あのSNSを見るだけでインパクトもあり、楽しくもあり、さらにはその後の楽曲公開、一般メディアでのフォローアップ、PV視聴、そしてライブパフォーマンスへと繋げているので、単なる一過性のバズりだけで終わらせなかったところが素晴らしいですね。

4. ロックでバズる?

「沸き曲」はマイナーコード中心のロック調がベースで、ノリやすくコールも入れやすい仕上がりになっています。つまり「バズるために可愛く、ポップなチューンにした曲」でバズったアイドル曲達とは一線を画しています

ここが実は面白いと思っていて、奇しくもほぼ同時期(またはちょっと前)に、ももクロの「MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰」がSNSを中心に、そのコミカルなフリとコールを入れやすいロックな曲調もあってバズりました。

ファンにとっては振りコピしやすい、両腕で三角をつくりながら左右の足を上げる振りが特徴で、スタダの妹グループメンバーたちを始め、様々な人たちに真似されるようになりました。
 
そもそも、ももクロがSNSでバズる(しかも意図的・戦略的に)というのがモノノフにとっても新鮮でした。大体ももクロが話題になると言ったら「高城れに結婚」「高城れに離婚」とかだし(←れにちゃんばっかりやないかーい!)。しかも布袋さんときたらゴリゴリのロックじゃないですか!これがSNSでバズるって本当に嬉しい。

ロックの曲って、一部の切り取りだけでバズらせるのは難しいと思うんですよ。だけどももクロもSHACHIも、意図的に「可愛い」を選ばずに、ロック曲で勝負し、さらに少しコミカルなフリを入れて拡散する手法によって「おっ?」という意外さに訴えかけることに成功したのだと勝手に考察しています。

5. 考察

これらのことから、今回の「沸き曲」についてのポイントを総括すると、
1) 流行りとは一線を画したロック調の曲で
2) 入念なバズりプランを計画し
3) 一般人や新規のファンの人たちをも巻き込めるほどの
4) インパクトのある楽曲を作った
ということです。
 
特に「新規のファンを巻き込む」というのは重要で、SNSという限られた時間の中で興味を持たせるために、わかりやすくインパクトのある曲に仕上げたという点が評価されます。

内輪だけで盛り上がる界隈は衰退するでしょう。そうではなく、新規の人も興味をもって参加できる、そういった敷居の低いアイドル応援コミュニティーが、今後の活躍に影響していくのだと思います。目指せ、満員の武道館!
 
それではまた次回に。次回は「TEAM SHACHIこそROCKだ!」その3 – 転調で鍛えられる?愛のニルヴァーナ」をお送りします。

#TEAMSHACHI
#笑う門には服着る
#みんなのライナーノーツ  

参考文献:
佐藤 嘉彦. 2021.05.27
「バズるとは?意味やTikTok・Twitter・インスタでバズる方法を解説 」
https://products.sint.co.jp/siws/blog/what-is-buzz

インスタラボ編集部、2023
SNSで戦略的に「バズる」バズマーケティング2つの成功法則
https://find-model.jp/insta-lab/buzz-marketing/

PROOX. 2023.06.12
「SNSとの相性抜群 !『バズる』動画の特徴とは?バズらせたいなら法則を知ろう」
https://proox.co.jp/column/12076/


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