
Midjourney漫画作成ワザ: キャラクターリファレンスに必携のpreferコマンド
Midjourneyを活用して同一キャラクターの生成を容易にするためのツールとして、「キャラクターリファレンス」が登場しましたが
怠惰な私はある悩みがありました。
コピペめんどい、と。
特にマンガを作る際はいくつかのキャラクターを何度も何度も呼び出します。いちいちコピペしてると、間違えて違うキャラのURLを参照してしまって画像生成の無駄遣いをしてしまったり大変です(ちゃんと管理しろよってだけなんですが)
そこにきて「/prefer」コマンドの組み合わせが効果的です。
以下の手順とコツをまとめました。
1. /preferコマンドの活用
Midjourneyでは、/preferコマンドを使用して任意の文字列をショートカットとして設定できます。これにより、複雑なコマンドやURLなどを簡単なキーワードに置き換えて呼び出すことが可能になります。
preferコマンド自体はこちらで解説していますので使ったことのない方はどうぞ!
2. キャラクターリファレンスの登録
`--cref url`を/preferコマンドと組み合わせて使用し、キャラクターリファレンスのURLを特定のキャラクター名で登録します。これにより、キャラクター生成時にURLを直接入力する手間が省けます。
3. キャラクター名での呼び出し
ここからが本番です。(といっても大したことないですが)
登録したキャラクター名をコマンドとして入力することで、背後に保存されたキャラクターリファレンス(URLや設定)が展開されます。この方法により、同一キャラクターの生成を迅速かつ簡単に行うことができます。
たとえばいま描いているマンガのキャラクター、ルミについてはまずこの画を登録しています。
本当は正面、側面、背面の三面図がいいんてすが、中々出ずに妥協しました。笑
ちなみに私はキャラの三面図のプロンプトも--three-viewとしてpreferコマンドに登録しています。よく使うので。成功率低いですが。(いいの知ってたら教えてください!)

preferの設定コマンドはこんな感じです
/prefer option set option:rumi value:--cref https://cdn.midjourney.com/28da5e6c-c744-4688-9857-28b21d7fa5e1/0_0.webp
ちなみに、漫画生成する際にはこちらのプロンプトもpreferで追加しています(--mproという名前で呼び出し)
(masterpiece), (monochrome) (detailed lineart) (japanese manga), (black and white) --niji 6
最後の--niji 6は別途設定で変えればここにいれる必要ありません。
使用例
/imagine prompt: --mpro a girl jumping --rumi --niji 6
これがこのプロンプトに変換されます
/imagine prompt: (masterpiece), (monochrome) (detailed lineart) (japanese manga), (black and white) a girl jumping --cref https://s.mj.run/2bid6TPccdQ --niji 6
URLは短縮されてますね。できた画像はこちらです。

ちなみにこのキャラが登場するマンガはこちらです。
キャラクターリファレンスのprefer登録のコツ
さて、キャラクターリファレンスを使い倒す準備は整ったわけですが、うまくいかないこともあります。
下記は使いながら試行錯誤した結果です。将来的に解決されるかもしれませんが、知っておくと無駄な生成が減ると思います。私の屍を越えていってください。
コツ1. 向きごとにキャラのリファレンスを持つ
キャラクターリファレンスの意外な弱点はリファレンス元に引っぱられすぎることです。これは`--cw`(コンセプトウェイト)で多少加減が可能ですが、それでも引っ張られます。
特に顔の向きや表情は「そういうことじゃない!」と思うくらいひっぱられます。
横向いてくれない

後ろ向いてくれない

こういうのは、たまたま横や頑張って後ろ向いてくれた画像を捕まえて、--rumi-side, --rumi-backなどと登録しています。
たとえばこのシーン

これは別途こういうリファレンス画像を作っいます。

後ろ向かせるのって本当に大変で(笑)苦労したのでプロンプト是非使ってください&もっといいの知ってたら教えてください
後ろを向かせるプロンプト
from behind, showing the back of her hair --no face
ここまでゴリ押しでもこっち向きます。笑 あとは何枚か刷って当たりを引きましょう。
コツ2: 動きごとにもリファレンスを持つ
まずは下記の画像を比較してください


どうでしょうか。自分で言うのも悲しいですが、下の方がイラストとしてはいいですよね?笑
自然ですし、躍動感があります。
リファレンスするとこういう動きがなぜか下手くそになります。基本的には元画像に引っ張られてるんだと思います。
こちらの例も見てください。

これ完全に「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」って言ってる風にしか見えませんが、シーンとしてはもっと「お願いします!」と懇願してるようにしたかったんです。
最初プロンプト工夫してたんですが、なかなかうまくいかないので適当にネットから探した画像を/describeでプロンプトにして付け加えました。

まあ、prayerとか言ってますからね。。お祈りっぽくなってます。
ちょっとシーンとしてはオーバーだけど、仕方ないと思って土下座させようとしました。
結果こちらです。

うん…誠意が全く感じられない!!意地でも膝をつきたくないのが垣間見えます。せめて頭を下げろ!と思ったので事前に後ろ姿を登録した--rumi-backを使って再挑戦しました。

いかがだろうか。私のイラつきが伝われば幸いです。全くなにかをお願いしている感がしません。
もうキャラクターリファレンスやめた!ブロンドのツインテールならいいよ、もう!と諦めて生成したのがこちらです。

えっと…イラつくとか言ってすみません。え、怒ってます?笑
今回はあまりにプロンプトがうまくいかないのでめっちゃゴリ押しました。しかしこれ。ちょっとはよくなりましたけど。それでも誠意をもってお願いしてる雰囲気ないですよね。
あと絵のテイストが違うしな。。イラストとしてはいいのかもしれませんが、漫画としてはもう少し粘りたいです。
結果、何回か生成して採用したのがこちらです。

あれ、気づいたらキャラクターリファレンス関係なくなっちゃいました。皆さんは深みにハマる前にリファレンスにこだわり過ぎず、別プロンプトで頑張ることをオススメします。で、それを次からのやつに再利用しましょう。
ルミがちゃんとお願いできたシーンはこちら。友達想いのいい子なんです。
コツ3: cwはpreferの外に置く
これは至ってシンプルです。
`--cw`(コンセプトウェイト)パラメーターは毎回指定し、プリセットとして保存しないことが推奨です。これにより、生成するキャラクターの特徴を柔軟に調整することが可能になります。
cwは出しながら毎回調整しがちなので、preferの中にはいれないようにしましょう。
コツ4: リファレンス画像の更新
一度登録したキャラクターリファレンスも、より適切な画像が見つかった場合は更新を検討します。これにより、生成されるキャラクターの品質を継玮に向上させることができます。
特に元となるキャラをリファレンスし、さらにそれをリファレンスするとかなりテイストが変わる場合があります。使っていて違和感があれば三面図にこだわらず原本に近い画像から再度別のリファレンスをつくりましょう。
たとえばこちらのキャラ

元はDALL-E3で作りました。キャラクターデザインを対話型で整えるのにはいいんですよね。あと、ニッチな知識も持っているので意匠もしっかりしています。あと骨格がよくも悪くもしっかりしています。
たとえばこのダンスのポーズもMidjourneyだと歪みがちですが、DALL-E3だと体の作りに忠実です。ただ、その分躍動感に欠けます。まあリファレンス先としてはありですね。
さて、これを三面図にしてもらいました。

服装からシューズまで、なかなか再現度高いですね。ではこれを使って他の画像を作ってみましょう。

うーん、リファレンスするごとに年齢上がってません?なんだか最初の雰囲気からかなり離れてしまいました。
孫リファレンスは非推奨。
諦めて最初のDALL-E3の画像をリファレンスにして同じダンスシーンつくったのがこちらです。

そうそう、いいじゃん!君を待ってたよ。大分クレジット無駄遣いしちゃったよ🤣
はい。リファレンスがなんだか違うなと思ったら躊躇せずに変更しましょう。変更は登録のときと同じく/prefer setでできます。
まとめ
かなりボリューミーになってしまいましたが、まずもってキャラクターリファレンスは最高です。これがなかったらAIで漫画つくるのは無理です。
ただ、現状万能ツールというわけではなく、多少のクセがあります。
この記事ではそのあたり私が個人的に躓いた点を共有してみました。
こういったワザを実験的に使って描いたマンガはこちらにまとめています。
もし興味もたれたら、是非読んでいただけると嬉しいです!