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聞き書き~思い出の味・運命のピーマン肉詰め~

まえがき


こんにちは、やちこです。
初めての聞き書きをしました。
「話してくれた人の言葉をそのまま残したい。知らない人でもその人を想像できるように。」私は大好きな『食』について聞き書きを始めようと思いました。

一人ひとりが人生の主人公。

どんな思い出の味があるのかなと興味津々です。食べ物にも人にも興味津々の私です。

記念すべき第一回目は、心の友山岸香織さんにお話を聞きました。
彼女とは、食のコミュニティを通じて知り合いました。歳も同じ、明るく気さくに話しかけてくれる彼女のおかげで、人見知りな私も楽しく過ごせ、今では農家さんのレシピを毎月一緒に考えるくらいのパートナーになりました。
彼女と初めて会った時、グループの中で出身地の話になり、『福岡です』って答えた方への返事が『福岡って美味しいよね』と発した彼女の言葉で、私はこの人と仲良くなれると確信しました。

そんな食が大好きな彼女の思い出の味、お読みください。

彼女の思い出の味

思い出の味ね~、何かなーっ。
田舎がないと帰省することがないから、親から料理を教えて貰う環境がなかったのよねー。
でも母親の料理を引き継いでいるかって言われたら引き継いでるのかなーって思う。口でなんとなく覚えているよね。肉じゃがとか昆布だし使ってたなーっとかそういう好きな味が体にしみこんでいるなって感じる。
その中でもこれが思い出の味かなって思うのが「ピーマンの肉詰め」。
今は野菜も改良されているけど、幼稚園の頃30年くらい前のピーマンって今より苦い物だったじゃん。でも私はなんかわかんないけど、幼稚園の頃からピーマンがめっちゃ好きだったの。
なんかねー、ピーマンが好きすぎてナポリタンにも絶対入れてもらってたし、それこそ今の無限ピーマンの元祖みたいなピーマン炒めとか、青椒肉絲とかもすごい好きでめっちゃ食べてた。
だから唐揚げとかもすごい好きだけど、それよりも遠足には絶対「ピーマンの肉詰め入れてって!」お願いしてた。そういえば、お姉は「海老フライ入れてね!」とか言ってたなぁ。

あと、私はサバアレルギーだから、家族皆がサバの味噌煮とかの時も、私にはピーマンの肉詰めを代わりに作ってくれてたなーって思い出したよ。

あっそうそう、私ケチャップで食べるのが好きなの。それか、ケチャップとウスターソースを混ぜたバーベキューソース!あれは今でもバーベキューソースって言うよね?えっ違う?・・・ママからあれはバーベキューソースって言われてるんだけど違うの!?ははははは。
ママからこれしなさい・あれしなさいとかそういう教育を受けてきたわけじゃないけど、一人暮らしするときは「好きなピーマンの肉詰めと唐揚げは作れるようになったほうがいいんじゃない」って言われて送り出されたなぁ。

あともう一つ思い出があって、旦那さん(当時は彼氏)に初めて作った手料理がピーマン肉詰めだったの。
いや、たまたま「家でご飯にしよう」って話になって、「なんか食べたいのある?」って聞いたら、一番最初に「ピーマンの肉詰め」って言われたの!そもそも料理ができるって思ってなかったみたいで「私、それ作れるよ。」って言ったら、「えっ!まじで出来るの!?」って驚いてた。「私の大好物なんだ!」っていうところから始まったのも思い出だなーっ。
ハンバーグーとか唐揚げでかぶるんだったらわかるけど、ピーマンの肉詰めでかぶるってあまりないよね。

今でも立派なピーマンが手に入るとよく作るよー。外食に行ってピーマンの肉詰めってメニューにほとんどないよね?生姜焼き定食とかあるけど、ないよね?だから家庭の味だなーって感じるし、私の思い出の味はピーマンの肉詰めだなって思ったよ。

あとがき

自分が幼い頃から食べていたもの、好きだったもの、それを旦那さんに初めてリクエストされた料理だなんて、素敵ですよね。
胃袋をつかむというのは、まさにこのことかもしれませんね。
後日、彼女のインスタには「ピーマンの肉詰め」を作っている様子がアップされていました。立派な肉厚なピーマンが手に入ったんだなって嬉しくなったと同時に、幼い頃の記憶や、旦那さんに初めて作った時のことを思い出しながら作っているのかなー、ソースは母親直伝のバーベキューソースかなぁ・・・と想像しながらその投稿を眺めていました。


ビストロのキッチンで仕込みや、保育園での調理経験もある彼女は、食べるのも作るのもとても好きです。


よく人を招いて料理をふるまっています。
次招かれた時、私はピーマンの肉詰めをリクエストしようと思っています。
そして私はこれから先、ピーマンの肉詰めを見るたびに、彼女の「運命のピーマン肉詰め」を思い出すでしょう。
初めての聞き書き、お読みくださりありがとうございました。

あなたの思い出の味は何ですか?

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