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なぜ現代の台湾人は子どもを産みたがらないのか?

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現代台湾では、少子化問題が深刻化しており、若者が結婚して子供を持つ意欲を持たない理由は複数あります。その中でも特に、給与、住宅価格、職場環境、生活品質、そして結婚に対する考え方が大きな要因となっています。今日は、それぞれの要因について詳しく説明しましょう。

1. 低賃金

結婚や家庭を持つためには、まず金銭的な余裕が必要です。特に子供を育てるには、予想以上に高額な費用がかかります。台湾政府が発表した統計によると、過去数年の給与は増加傾向にありますが、その増加幅が生活費に追いついていない現実があります。たとえば、2023年の台湾全体の年収中央値は52.5万元で、前年よりもわずかに増加しています。しかし、これだけの給与では一人の子供を養うのに十分ではありません。特に新竹市や台北市など都市部では、物価や生活費が高く、安定した生活を維持するためにはより高い収入が求められます。

2. 高騰する住宅価格

結婚や子供を持つためには、安定した住居が不可欠です。自分の家を持つことは、家族としての基盤を作る上で重要な要素となります。しかし、近年、台湾の住宅価格は急騰しており、特に都市部では高額な物件が多く、一般市民が手が届く価格ではなくなっています。内政部の統計によると、住宅価格は年々上昇しており、30年前に比べて家を購入することが非常に難しくなっています。さらに、高い頭金を準備するための資金を貯めるのも大変で、経済的な負担が増しています。

3. 職場環境

台湾の職場環境は、産休や育児休暇の制度が整備されています。男性も育児休暇を取得できるようになり、女性の産休後の再就職の道も開かれつつあります。しかし、実際にはまだ多くの企業、特に伝統的な業界や中小企業では、結婚や出産に対する偏見が残っています。結婚している、または子供を持つことを考えている女性は、就職面接で不利に扱われることもあります。産休や育児休暇後、職場復帰時に元の職位を維持できない場合や、キャリアに支障をきたす場合もあります。これらの不安定さが、子供を持つことへの心理的障壁となっています。

4. 生活品質

子供を育てることは、確かに大きな責任と費用が伴います。多くの人々が「豊かな生活」を重視し、子供を持つことで生活の質が低下することを懸念しています。子供が生まれると、家庭の生活スタイルが大きく変わり、例えば旅行や趣味の時間が減少することになります。また、夫婦二人だけの生活から、子供を育てるために費用を節約しなければならない現実もあります。このような状況では、生活のクオリティを保ちながら子供を育てることが難しく、結果的に出産をためらう原因となります。

5. 晩婚化

現代の台湾では、晩婚化が進んでおり、若者の結婚への意欲が低下しています。職場環境や社会の変化、恋愛観の変化が影響しており、多くの若者が結婚よりもキャリアを優先する傾向があります。特に20代や30代の若者にとっては、結婚を考える余裕がなく、仕事に忙殺されていることが多いです。そのため、適齢期に結婚できず、年齢が上がることで自然妊娠の難易度が増し、高齢出産のリスクが高まります。このように、晩婚化が少子化の原因の一つとなっているのです。

現代の台湾では、さまざまな社会的、経済的要因が重なり、若者が結婚して子供を持つことに対して消極的になっています。給与の低さ、住宅価格の高騰、職場環境の不安定さ、生活品質の低下、そして晩婚化の進行などが複雑に絡み合い、少子化の問題を引き起こしています。この状況を改善するためには、政府の政策や企業の理解を深め、若者が安心して家庭を築ける社会を作ることが求められています。


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