「新冷戦」とはしゃいでいるときなのか。
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210418-OYT1T50038/
読売新聞が「新冷戦の日米同盟」という連載を始めた。
日米共同宣言で「台湾の平和」へ介入することをもりこんだことによるものだ。
「冷戦」時代とは、台湾が「中国」として国連に加盟していた時代のことだ。
いまは台湾は「国」ではない。これは、日本政府も認めている。中国の「一地域」だ。
たとえて言えば、香港や新疆ウイグルと変わりはない。
問題があるなら、香港や新疆ウィグル政策に対して言論で批判するのと同様、台湾海峡問題についても言論で批判すればいい。自衛隊を派遣するための「共同声明」など必要はない。
台湾海峡ではなく、香港、新疆ウィグルの「平和」のために日米が共同で軍事行動を起こす(準備する)と共同声明に明記したら大問題だろう。
なぜ、台湾だけ、「例外」にするのか。
アメリカにとって、台湾は、ケネディ・フルシチョフ時代(冷戦時代)のキューバなのだ。(日本も、アメリカにとってはキューバなのだ。)中国へ軍事的圧力をかけるための「基地」にすぎないのだ。
このアメリカの世界戦略に、菅は、安倍路線を継承したまま乗っかっている。
アメリカの言い分にあわせてアメリカから軍備を買えば、自分の地位を守ることができるからだ。つまり「私欲」のためだ。
日本と中国の関係はとても重要だ。
10年以内といわず、5年以内に日本人は中国に出稼ぎにいかないと生きていけない。
日本の格差社会は、資本主義経済の末期的症状そのものだ。日本で「非正規雇用」で搾取されるよりも、きっと中国で出稼ぎをする方が楽に金を稼ぐことができる。出稼ぎ先から日本へ仕送りをするという生き方から、中国へ移民して生きなおすという人が増えてくるだろう。
そんな中国を相手に、「台湾の平和」を口実に、軍事介入をちらつかせるというのは、日本人の生き方そのものを破壊することになる。
それに。
この「新冷戦時代」への逆行は、さらに時代を逆行させるだろう。
「冷戦」がはじまる以前、つまり、太平洋戦争時代、台湾とはどういう「場」だったか。
日本が侵略し、支配していた。亜細亜への侵略の「拠点」とさえ呼べるだろう。中国語をうばい、日本語を押しつけさえしている。
「台湾有事」のときは、きっと同じことが起きる。
いや、同じことをしたいために「台湾有事」を期待している人がいるに違いないのだ。
台湾を拠点に、ふたたびアジア近隣諸国への侵略、植民地化を狙っている人間が、菅や安倍を利用している。
いま、アジアのいちばんの問題はミャンマーだろう。
国連安保理さえ開かれている。
展開次第では難民が続出する。
ミャンマーの平和(安全、民主主義)を放置しておいて、「台湾の平和」を言っているときなのか。
「新冷戦」などと言っているときなのか。