音楽遍歴のようなもの。 #3 「久保田利伸」
私の音楽遍歴のようなもの。
「田原俊彦」と「松田聖子」に影響を受けたことを前回までにお話したのだが、今回はタイトルの通り「久保田利伸」
彼との出会いは「田原俊彦」が大きな鍵を握っている。
久保田利伸が1985年、トシちゃんに楽曲提供した「華麗なる賭け」そして「It's BAD」
私はその時丁度小学6年生だった。
特に「It's BAD」は私にとって衝撃的だったのだ。
それは生まれて初めて聴いた「ラップ」
なんじゃこりゃ!?と正直思った。
歌なのにメロディーじゃない!
喋ってるみたいだけど節がある!
これまでのトシちゃんの曲とは一味、二味どころかかなり冒険的な楽曲に思えて驚いた記憶がある。
それから程なくしてその理由が判明した。
久保田利伸の仕業だったのだ。
いや、仕業という言い方には語弊があるが、私にしてみれば「やってくれたな!(ありがとう)」なのである。
その決定打は「夜のヒットスタジオ」でのコラボ企画。
「It's BAD」を田原俊彦と久保田利伸、そして忘れちゃならないAMAZONSの御姉様方と楽しそうに歌い踊る姿にワクワクが止まらなかった。
それを境に私の「久保田利伸」への好奇心に火が着いたのだ。
当時の愛読書はアイドル誌「明星」(現在のMyojo)と「平凡」、漫画誌「りぼん」
そんな私が書店で手に取ったのはソニーマガジンズから発刊されていた「GB」ことギターブック。
かなり背伸びをした気分だった。
残念ながら表紙は誰だったかとかは全く覚えていないのだが、アイドル誌とは違う大人の音楽に触れた第一歩だった気がする。
最初に見つけたのはとても小さな記事でその内1/3ページになり、遂にはデビュー直前にはカラーで1ページになり、中学生になったばかりの私は嬉しくて、当時流行っていた今でいうクリアファイル式の中に切り抜きや写真を挟んで眺められる透明の下敷きにそれを挟んで授業中にも楽しんでいたりした。
これはだいぶ記憶が曖昧なのだが、確かデビュー前に日清パワーステーションで行われたライブがオールナイトニッポンで放送された(と思うのだが違っていたら申し訳ない)のを興奮して聴いたのを覚えている。(コアなファンの方ならきっとご存知なのだろう)
多分その時に「TIMEシャワーに射たれて」の原形、「ラジオショーは終わらない」を初めて聴いたと思う。
かっこいい。
久保田利伸ってスゴい。
素直にそう思った。
こんなに声量があって伸びやかで明朗な歌声とリズム感がある人はなかなかいないと子供ながらに感じた。
ちなみにこの曲を米米CLUBがパロっている「ライスシャワー」という曲があるので是非おすすめしたい。
久保田利伸といえば「HITACHI FAN! FUN! TODAY」ではないだろうか。
テーマ曲とジングルを担当。
本人も出演していたらしいのだが、私の住む地域では多分それは流れていなかったようだ。
パーソナリティーの上柳昌彦の軽快なトークと音楽情報を毎日聴くのが楽しみで、その頃には立派な夜更かし好きの中学生になっていた。
遂に1986年6月、「失意のダウンタウン」でデビュー。
そしてアルバム「SHAKE IT PARADISE」発売。
勿論、当時は聴きまくりの歌いまくり。毎日が久保田利伸祭りのようなものだった。
先述した「TIMEシャワーに射たれて」の12インチシングルは中でも私のお気に入りで、ジャケットを眺めながら何度も針を落とした。
B面の「流星のサドル」はアルバムとバージョン違いで収録されている。
ブリジストンタイヤのCM曲で23時台のニュースの時によく流れていた気がする。こちらはアルバムとも12インチとも違うバージョンでキーが高い。短いCMだがビデオに録画して鬼リピした。
「流星のサドル」といえばとんねるず。当時とんねるずファンの友人が教え、聴かせてくれたとんねるずのアルバム曲「ENDLESS NIGHT―ほっといてくれ―」
憲武さん作詞で久保田利伸作曲。めっちゃカッコいいのに吹き出さずにはいられない名曲。是非お聴きあれ。
CM繋がりで、私が好きだったのがダイハツシャレード。
3枚目のシングル「GODDESS〜新しい女神〜」が起用され、提供番組だった「夜のヒットスタジオ」で流れていたのを覚えている。
青い夢が流れて~、からの入りがとても素敵な、映像ともに彼の爽やかな歌声がとても魅力的で、これもCMにもかかわらず鬼リピでビデオテープを磨り減らした。
そしてフジテレビドラマ「君の瞳をタイホする!」の主題歌に起用された「You were mine」で私は人生で初めてのCDを手に入れた。
当時のシングルCDは8センチで縦長のジャケットだった。
今でこそCDは珍しくもなんともないが、まだまだレコードも頑張っていた時代だったし、私自身がレコードに惹かれていたのもあったのでやっとこの時に初CD。
これを聴く為にCDプレイヤー付きのラジカセを買って貰うことになった(ガッツポーズ)
さて。
ここまで思い出話に花が咲いた音楽遍歴なのだが、実は久保田利伸に傾倒していたのはこの辺りまでなのである。
次にまた心を奪われた人が出来てしまったからだ。
ごめんなさい、くぼっちゃん(私が当時勝手に呼んでいた愛称)
ということで。
久保田利伸の楽曲の中で最も好きなのは、
「GODDESS〜新しい女神〜」
作詞:川村真澄、作曲:久保田利伸、編曲:杉山卓夫
先にも書いたように、爽やかで心躍る、それでいて包容力のあるおおらかな彼の歌声をずっと聴いていたくなる曲。
綺麗な海と空のイメージが強いのはCMのせいかもしれないけれど、私の中では久保田利伸のファンキーさとポップさがいいバランスで融合した美しい曲だなと思っている。
次に好きなのは、これも先に出てきた「流星のサドル」だ。
作詞:川村真澄、作曲:久保田利伸、編曲:武部聡志
これはどこがというよりとにかくカッコよくて本能的に好きだという他にないような気がする。初めて聴いた時からずっと今でも名作たと思ってやまない。うん、大好き。
まだ書き足りない気もするが、長くなったのでこのあたりで。
久保田利伸はまだ子供だった私の心を、そのファンキーでソウルフルな優れた歌唱力と表現力で鷲掴みにした人。
そして。
今もなお輝き続けて多くの人を魅了する偉大な日本を代表するミュージシャン、だ。
※余談のようなもの。
実は私が後に沼に嵌まることとなった宝塚でも久保田利伸の楽曲が起用されていたのだ。
1989(平成元年) 宝塚雪組公演「ラ・パッション」杜けあき・鮎ゆうきの生え抜きトップコンビの記念すべきお披露目公演のショー、その第5章の場面に久保田利伸2ndアルバム「GROOVIN'」の第一曲目、「PSYCHIC BEAT」が起用されている。
歌い踊っているのは後に私の最推しジェンヌとなる当時雪組二番手の一路真輝である。
かなり歌にドスが効いていて髪型もサイヤ人みたいになっているが美人で歌唱力抜群な方だ。
映像を発見したので下記に添付。
この場面の担当は高橋城先生。
久保田利伸の楽曲を使うあたりセンスが良すぎ!と先生を褒め称えたい。
推しと推しのコラボレーションがこんなに尊いとは。ありがたやありがたや。
という、ちょっと意外なカバーを紹介して本当におしまい。