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Eテレ「ワルイコあつまれ」式なプロフェッショナル。
いよいよ第二回目の放送だった月曜日。
まずは稲垣吾郎が司会を務める「子ども記者会見」から始まった。
その名の通り記者に扮した子供達がストレートな疑問を大人にぶつける、前回の「国宝だって人間だ!」の変化形である。
迎えられた新谷学氏の肩書は「雑誌編集長」
油断していた。
ぼんやりと経歴を聞いている場合ではなかった。
この番組が「ワルイコあつまれ」だということを私はすっかり忘れていたのだ。
「週刊文春」という言葉を耳にした瞬間、驚きと共に「うわあやられた!」と天を仰ぎそうになった。
全ての謎が解けたような、またしてもEテレの思うツボに嵌まってしまったような、悔しいというよりはしてやられたという奇妙な嬉しさに包まれてしまったのだ。
普段なら追及する側の人間を逆の立場に置き、それも彼の「週刊文春」の編集長を務めた新谷氏を迎えるとは、その発想とユーモアに脱帽だ。
なにしろ稲垣吾郎と香取慎吾の二人は何かと因縁の相手である新谷氏とどう対するのかということも大変興味深かったのだが、これまた稲垣のウイットに富んだ挨拶がとても面白く、笑いとともにその機転が利いている様に感心させられた。
それから忘れてならないのが冒頭から画面左端に映っていた香取慎吾の存在感。
デカイ。
なんかデカイ子供がいる。
なんの説明もなしに普通に子供記者に混ざっている彼の子供に扮した姿のインパクトたるや。
オトナ新聞、しんごちん記者。
一筋縄ではいかない、学びを楽しくするためのスパイスがふんだんに効いているところも見逃せない。
あと、新谷氏が決して圧力には屈しないと熱弁している中での「これはNHKさんにも声を大にして言いたい」と釘を刺したところや「あなた方にこの国の未来がかかっている」とこども記者に向けた言葉が耳に残った。
この「こども記者会見」、新谷氏も口にしたようにオトナ二人が興味深々で、こどもみたいに好奇心に満ちた瞳をしていたのが特に印象深かった。
テレビの前で彼等と同じような瞳でこのコーナーを見入っていたオトナが私を含めて多数いたのではないだろうか。
改めてこの「あっ」と思わせる企画というか奇策を仕掛けてきた心意気がEテレだと唸らされた。
そして間に挿入された「おとなのダンス音楽」
今回は草なぎ剛が担当。
前回の香取慎吾とは趣が異なり、エクササイズ感が漂うのは草なぎ剛の味からくるのだろうか。
気怠さの中にもキレのある草なぎの動きを見ていると心地よく、健康的な気分になった。
続編があるのなら稲垣がどういう雰囲気で踊るのか是非とも見てみたい。
「好きの取調室」は腕利きの捜査官に扮した草なぎ剛の演技力の見せ所となった。
京都大学准教授、西村剛氏が容疑者に扮しているのだが、ドラマ仕立てになっている草なぎの真剣な取調の演技に臆することもなく供述してゆく様子がまず面白い。
草なぎ捜査官の熱い尋問に対して淡々と答える西村氏の二人の温度差が時間を追う毎に奇妙さを駆り立て笑いを誘いながらも、様々な例を挙げながら研究結果を分かりやすく解説してくれるところにどんどん引きこまれ、またしても楽しく学ぶことを体感してしまった。
「大人になってからも好きなことをやり続けるというのはとても素敵なこと」と西村氏を称賛する草なぎ捜査官の言葉は「好き」を見つけた子供達の背中を押すメッセージでもある。
「好き」を極めたひとを「好き」になって終わる「好きの取調室」
愛に溢れたドラマは何故かテナガザルの鳴き声を草なぎと西村氏の二人でシンクロさせるという謎の締めくくりを見せるのだが、これがまたしても笑いのツボを押してくれる結果となった。
前回に引き続きとても楽しませてもらったが、特に今回はひとつのテーマ、仕事や研究をあらゆる視点から深く掘り下げたように思う。
こんな風に例えてしまうのはどうかと思いながらも、「ワルイコあつまれ」式プロフェッショナル仕事の流儀を見た気がした。
Eテレならではの味付けが実に絶妙で、プロフェッショナルに対しプロフェッショナルで迎え撃つという姿勢が実に痛快だった。
第三回以降の放送は未定であることが残念でならないが、今回多くの反響を呼び、様々な人に魅力が伝わったのではないだろうか。
続編を願いつつ。
「ワルイコあつまれ」と。
号令が掛かれば、いつでもテレビの前に駆けつける、そんな気持ちを持ち続けていたいと思う。