「別れても好きな人」は「Black Magic Woman」~桜井賢VS鈴木雅之 聖夜のサングラス頂上決戦 1st Round(1986)
自分で書いておいてなんだがタイトルが長すぎる(削れ)
前回の2回戦に続き、今回はその発端となる1986年「Merry X'mas Show」の初戦をお話しようと思う。
『メリー・クリスマス・ショー』 (Merry X'mas Show) は、1986年と1987年の12月24日に日本テレビ系列で放送され、サザンオールスターズの桑田佳祐が企画・出演した音楽番組。
この番組を現国の先生にダビングして貰った私が毎日ビデオを見る中、最も再生回数が多かったコラボがこれだった。
日本三大サングラスミュージシャンの内の二人(独断と偏見による)、桜井賢(THE ALFEE)と鈴木雅之(ラッツ&スター)のガチンコ対決、
「別れても好きな人 - Dedicate to SANTANA」である。
ロス・インディオス&シルビアの名曲「別れても好きな人」とサンタナの名曲「Black Magic Woman」に加えて同じくサンタナの「Oye Como Va」が効果的に織り込まれているムード歌謡とラテン・ロックの融合。
こちらもギタリストならではの観点からの選曲だろう河内淳一のアレンジが実に秀逸だと思う。
異文化の音楽が違和感なく一つの楽曲になるおもしろさというものをこの時初めて感じた。
とにかく桜井賢と鈴木雅之が本気でカッコいい、のに面白いというその真剣味が笑いを誘ってしまうなんとも癖になるコラボなのである。
あれ? 桜井賢ってムード歌謡歌手でしたっけ?と錯覚するくらいには嵌まっているし、その歌声の色気がたまらない。
鈴木雅之のソウルフルな歌と動きは相変わらず素晴らしくて唸らざるを得ない。
そんなふたりの静と動、和洋折衷コラボレーション。
桜井賢のマイクやコードの持ち方、小指を立てるところ等、細かい芸が仕込まれていて決して手を抜かないところが大好きだし、ジャケットを脱ぎ捨てる瞬間にどうしても吹き出してしまうくらいに面白い。
そして前回も言ったが、隣でクールに熱く歌い踊る鈴木雅之は悟りを開いた無の境地だと思う。その雄姿があってこそ、このコラボの味わいに深みが増しているのだ。
あっ。
サングラス対決でもあるが髭対決でもあるのを書き忘れていた。(いやどうでもいい)
この二人の相性が良すぎる故の混ぜるな危険(面白すぎて)コラボ。
フィニッシュのシンクロ率を見ればお分かり頂けるだろう。
もしまたこんな番組が放送されることがあるとしたら、この二人でまた新たな和洋折衷コラボが見たいと切に願う。
以前、TBSラジオ「爆笑問題カーボーイ」で、太田光が桑田佳祐にまた「Merry X'mas Show」みたいな番組をやって欲しいとお願いしたことがあると話していた。
太田光もこの番組が大好きだったようだ。
確か桑田佳祐も機会があればまたやりたいと答えたと言っていたと思う。
それを聴きながらとても嬉しかったのを覚えている。
きっとこんな番組はもう実現不可能に近いだろうと思うけれど、望みを捨てずに待っていよう。
はちゃめちゃなのにかっこいい、真剣にふざけてるのにとことん素敵なミュージシャン達が心から音楽を楽しむ姿を見ることの出来る番組を、いつか。