No.4ファシリテーターのマインドの学び方
アートファシリテーターをしているとわかることがあります。
それは、ファシリテーターはたくさんの対話をホールドするということです。
人と人との対話だけではない。
自分とアート作品、自分と作者、自分と自分の内面も対話しているということに着目して、その対話をホールドすることができます。
人と人の対話は感情が複雑で、しかも複数人数となると、ファシリテーターの実力がないとうまくホールドできません。
場づくりも条件が様々で、良い場が必ずしも作れるとは限りません。
発散をしてもらおうとしても、忖度する人が出てきたり、爆発する人が出てきたり
(笑)して、腹を割って話せることは、思いの外難しいものです。
やっと、発散ができたと思ったら、そこで満足してしまって、なかなか収束に向かうことができません。ファシリテーターもこの辺で疲弊してきます。
それでも、構造化を駆使して、合意形成をすることができ、やっと終わったな〜とほっとした時に「やっぱり、納得できない。」と言われる時ほど、自分のファシリテーション能力の力不足を感じる時です。
この様な体験を重ねると、自分はファシリテーターとしてどう振る舞えばいいのかが分からなくなる人もいます。
それは、スキルばかり追いかけているからではないでしょうか。もちろんスキルは身につけないといけません。しかし、スキルだけではファシリテーターは務まらないのです。
マインドとの両輪でやっと、一人前のファシリテーターと呼べるのです。
では、マインドはどうやって学べばいいのでしょうか。それは、ファシリテータの振る舞いとは別の物です。
どの様にすればいいのか。
それは、アートファシリテーションを習得することにヒントがあるのかもしれない、と最近思うようになりました。
「アート思考」に関する書籍を読むと、今まで自分がやってきたことが書かれていると思いました。アートファシリテーターのスキルは少しです。そのことから、こんな簡単なことでできるのか、と勘違いが生まれるのも仕方がないでしょう。でも、やってみるとわかるのですが、スキルだけでは参加者の感動は生まれません。表面的な面白さで止まってしまいます。これこそ、活動あって学びなし、ではないでしょうか。
アートファシリテーションの習得のためには、まずはアート鑑賞ワークショップを10回程度体験していただくことです。体験から学んでいくことは非常に大切です。並行して、傾聴、要約、質問などのファシリテーションの基礎を学ぶ必要があります。
なかなか、時間のかかるマインドの習得ですが、ファシリテーターになるためには、必要な時間だと言えると思います。
ファシリテーターへの道に近道はないのではないでしょうか。