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木の記憶02/山とおとぎ話
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最初の木との出会いってなんだろうと振り返ってみると、父親がクラフトハウスYASMAという木工所で木工をしていたので、家は常に木に溢れていたことを思い出す。でも一人暮らしをする時期まではこれが普通だと思っていたので、意識的ではない。そう思って、もっと遡ってみると、あったあった、ありました。伐株山(きりかぶさん)と木を運ぶトラックとテレビCM。
伐株山は、日田市を流れる三隈川の上流に位置する玖珠(クス)町にある、その名の通り切株の形をしたユニークな山。ここにはその昔、大きなクスノキがあり、周囲が影になるからと、きこりの大男に頼んで切ってもらったのでこの形になり、町の名前にもなったというおとぎ話まである。小学生の時に聞いて驚いた。きっと純粋だったのだろう。それから、木材を運ぶトラックを見る(日田では日常的)度に、その大男の鉛筆を運んでいると思い始め、家に帰ってもテレビを見ると丸大ハンバーグのCMで、家より大きな男が窓からキッチンを覗き込んでいた。その全てがリンクして『山には巨人がいる』と思い、意識的に山を見るようになったのだ。いつしか、そんなはずはないと思うようになってからも、心のどこかではいると思いたい自分もいた。ちょうど、サンタクロースみたいに。
これからも、こんなおとぎ話みたいな活動ができれば、きっと後世や他の地域にも繋いでいけると信じて、畏敬の念と軽やかなユーモアを持ちながら、もっと山先輩や川先輩と一緒に遊びながら過ごしたい。
(広報係/原 茂樹)