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木の記憶12/わが町を知る

 僕は、生まれも育ちも大分県日田市。林業の盛んな町で、以前は、実家の近くに、日田木材協同組合がありました(現在はウッドコンビナート内)。敷地内に丸太が並んでいたことがあり、かくれんぼや野球をして遊びました。厳しい社員さんがいるときは、危ないからここで遊ぶな!と良く怒られ追い出されたことがありますが、休日などは、僕たちの遊び場となっていました。
 この時は、日田市が林業の町とは気づいていませんでしたが、何で、こんなにたくさんの木があるのだろうかとは思っていましたが。それから、時は過ぎ地元の小さな旅行代理店に就職して、日田市の事を詳しく調べ始めました。そこで、大分県日田市が、林業で栄えたきた町という事を知りました。それから、企画をして、地元の小学校に、山で遊んだり学んだりする提案を行いました。大分県日田市が、林業の町だという事を知るきっかけになればと考えていました。
 現在は、日田市観光協会に勤めているのですが、林業とぐっと近くなったのが、2011年に日田の林業の事を知りたいという画家が東京から福岡のデザイナー繋がりで、やって来ました。これが牧野伊三夫さんでした。来る前は、どのような方かもよくわからず、地域を盛り上げてお金をまきあげられるのではないかとビクビクしながら受け入れ準備をした記憶があります。
 現実は、日本国内の山が荒れてきているという事で、牧野伊三夫さんの出身地小倉に近い場所で、九州の林業地に勉強に行きたいという事でした。大分県日田市では、山、原木市場、製材所などに足を運んで、林業関係者とお話をして、林業の勉強を行いました。この頃から日田市の林業会社や、東京・大阪・福岡のクリエーターが多く集まるようになってきて、会を発足させました。これが、ヤブクグリです。
 それから、ヤブクグリの仲間と、三隈川に筏を浮かべたり、日田きこりめしを開発して販売を行ったりしています。現在は、ヤブクグリの日を9月に設定してイベントを行ったり、ヤブクグリ生活道具研究室を発足させ、自分たちの生活で使いたい木製品の道具をつくって販売しています。
 今後もこの活動が続く限り、日田杉の品種「ヤブクグリ」のように楽しみながら続けていきたいと思っています。

※ヤブクグリは、杉の品種名。根元が曲がって伸びていきます。樹齢が長くなると根本もまっすぐになっていきます。
(事務局長/宿係 黒木陽介)

ロングセラーとなった日田きこりめし弁当

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