【14,000字】シリコンバレーの風を全身で浴びた6日間(2025 J-starX Local to Global Success コース)
2025年1月、経済産業省とジェトロが主催する海外派遣プログラム「J-starX」に参加してきました。
キャリアについて新たな視点を模索している中、ありがたいことに選抜いただき、この貴重な機会を得ることができました。今回のnoteでは、一緒に参加できなかった方々や、シリコンバレーやサンフランシスコに少しでも興味をお持ちの方々に、その雰囲気をお届けできればと思い執筆しています。
写真やGoogleマップをふんだんに活用し、現地の情景がよりイメージしやすいよう工夫しました。「自分もいつか行ってみたい!」と思う方が1人でも増えたら、このnoteを書いた甲斐があったと感じます。
それでは、さっそく始めましょう!
基礎情報
期間について
日本時間で1/12(日)に出国、1/19(日)に帰国する6泊8日の渡航でした。
費用について【合計:34,119円】
円安相場が続く中、海外渡航において最も気になるのはやはり費用面。そこで、私自身が負担した渡航費用を、できる限り詳細に金額を公開し、これから渡航を検討する方の参考になればと思います。
【移動費小計:12,932円】
羽田空港往復:1,198円
Uber(タクシー移動代):7457円
CLIPPER(電車移動代):1,615円
WAYMO(無人タクシー移動代):2,662円
【食費小計:9,547円】
出国前コンビニ:924円
出国前ラーメン:990円
In-N-Out Burger(夕食):1,251円
ビリヤニ(夕食):2,102円
タコス(昼食):4, 344円
PnP Lunch(昼食*2):4,280円
【交際費小計:11,640円】
カフェ2軒:2,503円
Stanford Store(お土産代):9,137円
上記は以下のような工夫をした結果の金額です
飲料費節約:500mLペットボトルの水を10本ほど日本から持参
食費節約:即席スープを持参し、外食が不要なときは自炊を活用
移動費節約:なるべく公共交通機関を利用、または徒歩で移動
ちなみに、渡航時の為替相場は1ドル=158円台でした。今回のプログラムでは、航空券と宿泊費(全日朝食込み)、さらに一部の食費を負担していただきましたが、円安とベイエリアのインフレが重なり、自費渡航は現実的に非常に厳しい状況でした。この貴重なチャンスをいただいたJ-starXの関係者の皆様には、改めて深く感謝申し上げます。
プログラムについて
簡単にプログラムの詳細を掲載しておきます。
詳細は公式Webサイトをご覧ください。
JETROとは
J-starXとは
Local to Global Success コースとは
今回のシリコンバレーは20/400ほどの倍率だったらしいです。来年度以降はどんどん知名度も上がり競争率が高くなることが想定されるので、タイミング合う方はなるべく早く応募してみてください!
<<< ここからが本番です >>>
day0:出国
いざ出国🇯🇵✈️🇺🇸!
別のプログラムも含めた懇親会が一度開催されていたものの、同じプログラムで派遣される20名のうち半分以上は初対面という中でのスタートとなりました。
初日のアイスブレイク
早速ですが、初日が勝負だと考え、ある企画を立てました。異国の地で英語があまり話せない自分にとって、現地でのメンバーとの関係構築が生命線になると思ったこと、そしてアポを入れきれなかった時間を有意義に過ごすため、一緒に活動する仲間がいれば良いな、という思いからです。そこで、出国前の手続きや両替、保険に不安を抱える方々を募り、最後に日本食を楽しむ機会をセッティングしました。
前日の声かけだったにも関わらず、半数以上の参加者に集まっていただき、保安検査場を通過した後のフードコートでグループごとに食事をとることになりました。この時間でお互いに親しくなれたおかげで、心理的なハードルが一気に下がり、プログラムへの不安や心配がかなり軽減されたように感じます。
振り返れば、この日の取り組みがあったからこそ、渡航全体が充実したものになったと言っても過言ではありません。準備不足な部分もありましたが、この企画を思い立ち、実行した自分を少しだけ褒めてあげたい。
day1:現地到着, 現地観光day
日曜日の16時ごろ羽田空港を出発し、現地の日曜日10時ごろに到着。"1日得した"という懐かしい感覚に浸りつつ、午後は最初で最後の観光時間であったのでマウンテンビュー・サニーベール・サンノゼエリアを観光してまわりました。
Apple Park
Apple ParkではVisitor Centerしか入ることができませんでしたが、それだけでも訪れる価値はあったと感じています。Visitor Centerでは、立体モデリングを活用したARビューを通じてオフィス全体を見学できる仕組みがあり、そのクオリティの高さに驚かされました。細部まで作り込まれた体験を通して、Appleの技術力と圧倒的な資本力を肌で感じることができました。
Red Rock Cafe
Apple Parkの次は起業家の聖地、Red Rock Cafeに訪問してマウンテンビューを散策。ベンチャーや起業家が集い、VCとの面談が多数行われるカフェということから、スタートアップの聖地となっているとのこと。
メッセンジャーアプリの「WhatsApp」の開発ミーティングがここで行われたことで有名らしく、1階はカジュアルなカフェ、2階は発言禁止の作業スペースとなっていました。
The Tech Interactive
サンノゼの街は日曜の午後だからか人は多くなかったが、世界と闘う企業の熱量と勢いを感じる街であった。
The Tech Interactive は1時間に35ドル払うのを躊躇い入場しなかったが、大人から子供まで楽しめる非常に頭を使う展示が複数あったよう。ぜひ子供を連れてゆっくりきたい場所であった。
San Jose Museum of Art
サンノゼ美術館は入場しなかったが、外周にあった日本の満員電車を描いた風刺絵が印象的であった。
St. Joseph's Cathedral
セントジョセフ大聖堂はかなり歴史を感じる建物で、100人以上の収容が可能であった。週次などでかなり熱心に通われている方が2-3割、観光客が4-5割、その他という状況に見えた。なぜかわからないが1分間座っていただけで心がスッキリした。これが宗教の、神を信じる力なのかもしれない。
In-N-Out Burger
夜ご飯は楽しみにしていたインアンドアウトバーガーでアメリカらしくハンバーガーをいただきました。バーガーメニュー3つのみと商品数を抑え、店員10人強がほぼ移動を伴う必要がないほど効率化されたオペレーションで、質と価格を両立されているようでした。
LA発のIn-N-Out Burgerは「注文されてから作る」ほど味にこだわりを持っており、バンズも肉もかなりボリュームがあり腹持ちも良いことから西海岸ではマクドナルドやバーガーキングを抑えるほどの人気だそうです。かなり食べ応えがあり、脂身が少なく旨味の多い肉と小麦粉の美味しさが沁みるバンズとのハーモニーを感じ虜になりました。次来る時も必ず食べたい。
食後はホテルまで30分の道のりをみんなで歩いて帰った。多様なキャリアを歩んでいらっしゃる方々の刺激的なお話をお聞きできたのも幸せだった。自分も頑張ろうと勇気づけられた。
Residence Inn Sunnyvale Silicon Valley II
ちなみに宿泊先はこちらのMarriott系列の非常に評価の良いコテージに1人1人個室が用意されていました。治安が不安な声もありましたが、エリア的にも施設的にも非常に治安は良い印象を受けました。(清掃時に部屋を荒らされた、ものがなくなった、のようなあるあるの話を1つも聞きませんでした)
また、どのような場所に滞在したか気になる方も多いかなと思うので、これ以降も可能な限り訪問した場所のGoogle mapリンクなどを添付しようと思います。
day2:PnP Office day1
想定よりも時差ぼけが少なく、到着当日も翌日であるこの日も問題なく活動できてよかった。西回り(日本からアジア方向)の方が東回り(今回のようにUS西海岸方向)よりも時差ぼけになりやすいと調べていたので、最初の関門を突破した気分だった。ちなみに西周りの方が時差ぼけに悩まされる人が少ない背景はその根拠は早寝早起きよりも遅寝遅起きの方が得意な人が多い、ということかららしい。
とはいえ、早寝早起きしても現地時間の朝は日本時間の深夜なので非常に眠かったです笑。
Value Proposition ワークショップ
参加メンバー各々の自己紹介タイム、PnPの紹介タイムを経たのち、現地で活躍されている日本人起業家篠崎さんにValue Propositionの解説をいただいた。失敗するスタートアップはこれが欠けているから失敗する、と言い切れるほど定義する価値があるとのこと。ワークショップ形式で各々の事業に当て嵌めながら考えるワークを行っていただいた。今の自分の理解でValue Proposition を一言で説明すると、「他社では提供できない、自社特有の価値の源泉」でしょうか。今の事業に不安が大きいのはここが明確に定まっていなかったからであると実感させられた。
また、伸びている市場かどうかの判断軸もご教授いただいた。MckinseyもJPMorganのレビューを見ることももちろん大事だが、市場の立ち上がりの実績があるかどうかを注視することが肝要であるとのこと。無の市場が伸びる、とは誰でも言える。現状その市場の絶対量は小さくても問題ないので、指数関数的に伸びる序盤の動きをしているかどうかをよく吟味しろとのこと。
Tesla Cybertruck
休憩時間中にたまたまTeslaのcybertruckの試乗体験会を行なっているのを発見し声をかけてみた。国際免許では運転NGらしく、イケてるbroに運転してもらいながら車体について解説してもらいました。
自動運転はもちろん、驚いたのは馬力であった。ジェットコースターかと勘違いするくらいGがかかる加速を披露していただき、やや怖かったがエンターテイメントとして楽しかったです。
ちなみに馬力は845馬力あるらしいのですが、気になってさまざまな車種の馬力の相場を調べてみました。
日本の軽自動車:最大出力64馬力
オデッセイ(Hondaのミニバン型乗用車):160馬力
フェラーリ F8 トリブート:720馬力
F1カーの馬力:850-1000馬力程度
こう見るとあF1カーに匹敵する馬力があり、その加速力にも納得です。(この馬力は命を狙われている際に逃走するためでしょうか?笑)
Stanford VC AI Pitch
また、たまたまStanford大のVCとPnPさんがコラボしてAI系の事業ピッチ大会があるので少し覗かせていただきました。
日本とは雰囲気がかなり異なり、詳細を詰められるというよりは世界観に共感してもらうようなビジョナリーなピッチが多く、議論の種もかなり活発に投資家から投げかけられていたように感じる。
正直全て聞き取れるわけではなかったけれど、日本にいてはダメだと強く感じるきっかけとなった。同じ土俵で戦っていない。
Welcome dinner
この日の最後はwelcome dinnerをPnPさんがご用意くださり、参加者同士のコミュニケーションを深める食事会で締め括られました。
day3:Customer Interview day1
この日は完全自由dayで、各々が自由にアポを取って訪問する日であった。
Stanford Medical Yuka Matsuuraさん
午前はプログラム仲間に同行させていただき、Stanford Medicalにて放射線を用いた研究サポートをされている松浦さんにお会いしました。日本で放射線技師の免許を取得して国内のクリニックや大学に勤務されたのち、最先端の研究に携わりたいという想いで渡米されたそうです。
Stanford Medical内のラットやマウスを用いた研究環境・研究室などを案内していただき、大変刺激になりました。特に記憶に残っているのは、「米国のMDは日本の医者よりも視野が広い」とおっしゃっていたことです。日本の医者は大学の学部選択で医学部を選択し医学のみ学ぶルートが一般的ですが、米国では4年生の大学(学部は問わない?)を卒業し、その後Medical Schoolに入学してからMDを取得する形となるため、医学以外の専門領域を持っていることが一般的とのこと。日本では医学部は部活やサークルも医学部で固まることが多いですが、米国では幅広い層の学生と交流するため視野が狭まりにくいという背景もあるのかなと感じました。
Outerport Towaki Takikawaさん
ランチは友人がPFNのインターンでお会いした、Towakiさんおすすめのケバブをいただきました。日米のハーフでオレゴン州で育ったTowakiさんはAI研究者の父親の影響で幼少期からPCやAIに強い興味を持っていたそう。
学生の時から研究成果を残し、 NVIDIAで3年勤務したのちにOuterportを創業されたらしい。YC2024のSummer batchに選定され既に数milliionの調達をされているツヨツヨの方でした。これはTowakiさんだけではないのですが、SVの起業家は優秀な方ほどオーラが非常にソフトで、常に自然体でいらっしゃる感覚を得ました。
タコスは1種類$4ほど。前に注文されていたTowakiさんと同じものを食べたいなとsame as himといったら6種類も来ました笑。味はどれも美味しく、メキシコで食べたクソ安いタコスへの懐かしさを覚えました。
その後はコーヒーを飲みながらwalking.ホームレスの方と薬の香りを嗅ぎながら、多様な文化の交差点を感じる。
Taxa Technology Yuichi Fukunagaさん
次にお会いしたのは大学受験から渡米されているYuichiさん。
自分自身も非常に興味のあるバイオ領域でディープテック起業をされている方でした。博士を中退し、学部の時のルームメイトの研究シーズを用いて事業展開しているらしい。彼もすでにmillionの調達を済ませていて、レベルの違いを感じた。
軽く学びを整理
この渡航で一番印象に残っているのがこのお二人とお話ししたことで、5枚のプレゼン資料でバリュエーション数million出していたり、SVの投資観の違いに驚きました。事業の将来性はもちろんですが、具体性がない不確実性のない中でもチームを信頼しFoundersに投資をしている文化を見にしみて感じる体験となりました。
また、いくつかの起業家の方々のお話を聞いていく上で、明らかに米国と日本の異なる点があった。それは、「最初から営業をするつもりはほとんどない」ということ。日本は東京から比較的どのエリアも時間距離にして2-3時間で行ける場合が多いですが、広大な土地を持ち人口密度が日本ほど高くない米国はそういうわけにはいきません。もちろんコラボレーションする相手との相手とのアポは積極的に取りに行きますが、商品の売り込みにおいて営業を前提としておらず、いかに売れる仕組みを作るか?(+いかに強いチームを作るか)に経営者のリソースが集中しているとのこと。比較的余白時間(思考時間)が多い方が多いように感じました。
あと、日米で投資基準も大きく異なると感じた。StanfordのAIピッチを聞きながらと、Outerportのピッチ資料見せてもらった時に主に感じたことではあるが、エクイティ投資を受けた起業家はみんな口を揃えて「投資家は事業ではなくてチームに投資してくれてる」と言っていた。
ちなみに見せていただいたピッチ資料は5枚しかない30分とかで作れそうなもので、しかも技術の詳細は説明せず「GPUの効率化の重要性」と「我々は何者か」の二つしか言ってなかった。日本のようにビジネスモデルや技術、資金プランについての過剰な深入りはなく、Foundersに将来性があるか、初期のアイディアが折れても何度でもpivotできるか、が重要視されているように感じた。
そして、悲しきかな。共同創業者の出会いを聞くと大体ルームメイトかそのくらい大学の時に距離が近かったとかをよく聞く。もちろん絶対条件ではないことは理解しているが、学生時代をUSで過ごす価値がデカすぎるという現実からも目を背けてはいけないと感じた。
Mission Dolores Park
towakiさんに教えてもらった見晴らしの良いスポット、Mission Dolores Parkへお散歩。ここでたまたま同じプログラムの仲間がYuichiさんといるところでお話を聞いた。かなり周辺は高級住宅街らしく、1ベットルームの賃貸相場は$3,000程度するらしい。東京で50万弱の相場なんて、タワマンでない限りどのエリアでもありえない。。
平日の16時くらいだったのにも関わらず芝生でくつろいでいるカップル・家族・友人グループが多く、日本よりも自由度の高い働き方をしている人が多いのかもなと感じた。
Waymo乗車体験
ずっと楽しみにしていたWaymoに乗車。かなり路上駐車が多く、坂道の上下も多い人間でもハードルが高いと感じるサンフランシスコの街をスイスイ駆け抜けていった。運転は全く不安に感じる要素はなく、むしろ対向車とのすれ違いや異常物検知、滑らかな加速・減速は圧倒的に自動運転のほうが上回っていると感じた。
しかもUberとほぼ同額なので、サンフランシスコ市内の移動は迷わずWaymoを使用するだろうな、という乗車体験になった。人が稼働しにくい深夜や田舎でもタクシーという移動手段がが安定的に供給できる素敵な未来はすぐそこまで来ている。
自動運転は実は2種類あり、目の前の状況だけから判断するTeslaのようなタイプと運転するエリアの道路環境を学習させておくタイプがある。Waymoは後者のタイプであり、特定エリアのタクシーへの活用へ向いているのが後者のタイプなのであれば、すでに少ない面積に人が住むエリアが固まっている日本のような国は普及するハードルが低いのかもしれない。
Golden Gate Bridge
Waymoで向かった先はサンフランシスコの象徴でもあるGolden Gate Bridgeをバックに夕焼けを眺めることができるスポット。ランニング・ペットの散歩・サイクリングをしている人も多く、気分が前向きになるような場所だった。
Caltrain乗車体験
宿泊地であるSunnyValeからサンフランシスコまでは、サンフランシスコ市内とサンノゼ市内を結ぶCaltrainで移動。アメリカの公共交通機関はLAやNYの治安の悪い地下鉄のイメージしかなかったから少し不安であったが、その不安のかけらも感じさせない乗車体験となった。まず2階建てのbigな車体に衝撃を受け、乗車してみると車内が非常に清潔。テーブルもwifiも設置してあり、車体があまり揺れない時間は快適に作業できる環境が整えられていた。
実は昨年まで非常に騒音が大きく不便だったらしいのですが、電動化が進められて日々の交通手段として非常に快適になったのだそう。訪問したタイミングがラッキーでした。全然通勤時間が苦ではなさそう。
Swathi Tiffins
帰りはビリヤニをtake outして宿泊先に戻った。3人前くらいのボリュームがあり死にそうになった。(結局翌日の朝ごはんになりました笑)
day4:PnP Office day2
この日はPnPオフィスでの活動2日目。午前中は昨日の活動実績を報告し合い、ピッチコーチのセミナーをお聞きし有志数名の英語ピッチを添削していただいた。午後はプロトタイプ作成までのプロセスをワークショップ形式で学び、1on1のメンタリングをしていただいた。
Pitch Coating
ピッチコーチングでの学びは大きく2点である。1つ目は「我々は信用できるチームである」ことを序盤に伝えて説得力を上げるべき、ということと2つ目は「なぜやりたいか」をシンプルかつ強調して伝えるべきということ。1点目に関しては日本との違う点かもしれない。「何をしたいか」も大切ではあるが、「お前らは信用に値するチームなのか?」を最重視されるとのことで、移民文化のあるアメリカらしいと感じた。2点目に関しては、あなたの事業が実現することでどのような素敵な未来が拓けるのか、どの程度それが魅力的か?という内容が伝わらないと投資はほとんど発生しないらしく、技術的な優位性は2の次とのこと。一言でまとめると、常にカスタマーファーストで。
Networking
この日の終わりは現地のVCの方やStartupをされている日本人の方を交えてネットワーキング + ピッチ大会が行われた。
day5:Customer Interview day2
PnPの方に企画いただいて午前はGoogleと Stanfordを訪問。午後は各自でアポを取り自由に行動する1日であった。
あくまで一般開放部分をめぐるだけであったが、Googleの周りを自転車で颯爽と巡るのは早朝のクリアな空気も相まって相当気持ちが良かった。Googleに限ったことはではないが、関係者の方に案内していただかない限り(シンプルに邪魔なので)勤務ビルなど内部に入ることはできない。AppleやGoogleなどビックテックは観光客が来すぎるのでVisiting Centerを別に設けているのでその周辺で雰囲気を感じることになる。
Stanford
Googleの次はStanfordへ。待合でよく利用されるランドマークであるStanford OvalからMemorial Churchを訪問した。Memorial Churchの前には大学の創設100周年(1891年設立)以降、1年ごとにタイムカプセルが埋められているのが確認できる。設立200年である2091年に開封される。粋なことするやん。
Memorial Churchの後は社会人から入学することも多い、デザインスクールへ。日本でも最近「デザイン思考」や「リフレーミング」などの用語をたくさん聞くようになりましたが、世界的に認知されるきっかけは2005年にd.schoolが設立されたことによることになったらしいです。デザイン思考を教えるスクールの発祥地の中の雰囲気を感じてきました。建物内はクリエイティビティの風が吹いていました(適当)
少しだけ時間があったのでStanfordの一番大きな売店へ。本や文房具などの勉強道具から化粧品、飲食物までこの1店舗だけで暮らせそうな品揃えであった。中でも服のスペースがかなり広く、地方のユニクロの路面店よりも大きいのではないか、と思うくらいの領域が確保されていた。東大でもたまにみるStanfordとデカデカと印刷されたパーカーは憧れたが100ドルくらいしたので泣く泣く諦めた。どこかで買いたいと思っていた祖父母と両親、パートナーへのお土産を調達できたことで安心した。
DoorDash Kenta Haraさん
ランチはDoorDashのエンジニアをされているけんたさんと日本食のお店でお食事させていただき、ビザ取得の大変さを詳細にお聞きできた。娘さんが明日からサッカーの試合に行かれるとのことで、同行したメンバーの事業であるスポーツカメラに非常に興味を持たれていた。
この前後で一緒に回っていたメンバーの中高同期さんとも色々お話し伺うことができたのは良かった。父親が日本で不動産系の事業を行っており、今はSVでのネットワーキングのために派遣されてVisiting スカラー?として Stanfordに来ているらしい。中学からイギリスへ1年留学していたり、オーストラリアへワーホリ1年行かれていたり、かなり海外に住み慣れている方だった。これまで自分はワーホリ=英語を学ぶためのビザと捉えていたのですが、英語を学ぶためではなくペラペラな状態で行くワーホリの価値を教えてもらいました。
UC Berkley Mako Miyatakeさん
午後は東大から料理学校を経由され、バークレーで機械工学を研究されている宮武さんにお会いした。phdコース来て半年らしいが、既に講義にも研究室にも溶け込んでいる雰囲気のある、バックパッカーされているからかパワフルな女性の方であった。M1の時にある程度の研究実績を残せていたからある程度受験しやすかったとのことだが、行きたい研究室の先の教授にある程度信頼してもらえるものがあれば問題ないんだろうな。
HomeParty
夜はSonyから派遣されて25年間駐在された日本人の方にホームパーティを企画していただいた。食事が美味しすぎるのにも衝撃ではあったが、3家族が暮らせるのではないかと思えるほどの広さと庭にあるサウナ&ジャグジーに度肝を抜かれた。毎日ハードワークしながら家族との時間もとり、食事に気を使い、サウナに入る生活をしているらしい。かなり素敵な暮らしをされている方で、将来の理想が少し明確になった気がした。
day6:PnP Office day3
この日はPnPオフィスでこの渡航のまとめを行う日だったのだが、体調を崩して1日中寝ていた。ギネス世界記録を達成した11日寝なかった人の睡眠よりも寝ていた笑。
Netfixオフィスツアー、松本杏奈さんとの食事もある日だったので少し残念ではあったが、日本に帰ってから大きく体調を崩す姿が目に見えたので休養してよかったと思う。以前はこのような判断はできなかったと思うので、少し成長を感じた。
ただそれにしても海外8度目にして、海外に渡航して体調を崩さなかったことがない。もう少し強くなりたいが、最大限努力してこれなら性質なのかもしれない。もう1回は体調を崩す前提で渡航計画を立てることにしようと思う。自分を理解して事故が起きないようにすることが大切と自分に言い聞かせて。
day7:帰国
ついに最終日。この日は朝イチから飛行場へ。時差ボケ対策にあえて睡眠をとってない勇敢な人たちもいたが、ぐっすり寝てしまった。元気に帰るぞい。
バスの風景を見ながら名残惜しい気持ちと、すぐ帰ってきてやるからなという熱い気持ちが共存する帰路であった。20代でアメリカに来る。そう"決断"できたことは良かった。自分の家系をグローバルに対応させるために、親戚の中で初めて海外で暮らす人間となることが子孫のためだと強く感じる。
帰国途中の便ではサクッと2-3時間ほど睡眠をとり、日本時間での朝方からは映画を3本見た。
直接的にこのプログラムに関わりがないが、せっかくなので記録を残しておきます。(注意:ネタバレを含みます)
マイ・インターン(字幕版)
40年間同じ印刷業に勤めた会社員が妻に先立たれ、余生退屈しているところで出会った高齢者向けインターン。会場はなんとECをやっている立ち上げ1.5年のイケイケベンチャー。刺激が欲しいというよりは何か社会と繋がっていたい、貢献したいという欲望からインターンへ参加したBenだったが、気づいたらCEOの部下に任命。働き方も性格もハードな彼女の下で働くことに最初は誰しも大変だと憂いていたが、想定以上に社員から慕われ、彼女も少しずつBenへの信頼を増していく。社員にあまり見せていなかったプライベートをBenには開放しはじめるほど信頼を置くようになり、彼女のプライベートのイベントとともにBenの素敵な一面が露わになり信頼感が醸成されていく。ceoの部下でもあるが深い友人でもある、というなかなか珍しい友人関係を描いた物語。
とてもBenが素敵な人すぎて、あとストーリーが滑らかすぎて2時間が本当に一瞬だった。こういう素敵な作品に巡り合えることが幸せだと感じる。Benから学んだことは、服も言葉も態度も全て相手のためにあるということ。
相手を楽しませるためにジョークも言うし、服装にも気を使うし、ハンカチも常備しておく。常に何を与えられるかを考えている人生の師のようなお方だった。
ウルフ・オブ・ウォールストリート (字幕版)
金持ちになるために証券会社に飛び込んだ中級階級の若者が、得意のセールスを武器に違法行為も交えながら成り上がっていく物語。金だけでなく酒と女とドラッグに溺れるようになっていき、いろんな友情や家庭が崩壊して形を変えていく様が描かれていた。
ここまで金の亡者になりたいかと言われたらNOだけれども、受験勉強のために恋愛を後回しにしたり、ブラック労働で家庭を顧みなかったりすることも大きく捉えたら同じことなんだろうな。人生は色んなファクターのバランスを取りながら進んでいくものであるが、金だけで走っていくことの危険とドーパミン的な快楽を指し示してくれた映画であった。
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
両親が離婚したのをきっかけに、貧乏学生であったレオナルドディカプリオが無一文からパイロットの給料小切手が大金に換金できることに気づく。世界を股にかける小切手偽装犯になったディカプリオが捕まり、最終的に終われる側から追う側であるFBIに就職し、最終的には偽装防止小切手を作成して社会に貢献するところまでを描く物語。逃亡シーンもかなり秀逸に作られており、アクション映画ではないが演技に見惚れる。
まだ未成年のディカプリオが大罪を犯すところから社会に貢献する人物になるところまでを描かれており、マクロ視点から見ると「若い時にどんな悪いことをしても、その人物が社会にどのような価値をもたらすかわからない」というメッセージに感じた。ミクロ視点だと「何をしてきたかではなく、今過去の体験をどのように活かしているか」という「今」の捉え方を伝えてくれているような気がした。
そんなこんなで帰国🇯🇵✈️🇺🇸!
まとめ
最後にはなりましたが、改めてこのプログラムの主催をしていただいた経産省とJETRO、運営していただいたPnP、一緒に渡米していただいた参加者の方々、現地でお世話になった方、日々の生活を支えてくれている家族とパートナーに感謝の意を表してこのnoteを締め括ろうと思います。本当にありがとうございました!
一番の収穫はさまざまな人種が混じり合う経済・学術の最先端アメリカで人生を戦いたいと思えたこと。
特にご一緒させていただいた参加者の方々は、起業前とは思えないほど事業計画が明確だったり、英語が堪能だったり、行動力が飛び抜けていたり、今後活躍することは確定している将来が楽しみな方々ばかりでした!また皆さんにお会いできるのが本当に楽しみです!
アメリカでお互いの活動を持って再開することが理想ですね!
(ご一緒させていただいた方向け)また、日本でもぜひ食事行きましょう!東京に来たら声かけてください!日本各地に頑張ってる同志の方々がいると思うだけで心強いです。みなさんとまた話した時に恥ずかしくないように僕も精進します!
最高の人生にしましょう!
それではまた!
p.s. 最後まで読んでいただきありがとうございます!気づいたら14,000字を超えていて驚愕しました。あまり校正せず勢いで投稿しておりますので、誤字脱字・文脈錯誤など小さなことでも気づいたことあればぜひメッセージください!
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