見出し画像

令和6年の懲戒処分

Column~№68
 2月13日に警察庁は令和6年中の懲戒処分者を発表した。逮捕者は前年比―4人の57人で、懲戒処分者は前年比―27人の239人だった。前年よりも減少傾向にあるが、これは懲戒処分者の数で監督上の措置という懲戒処分に該当しない不適切事案は増加しているように感じている。ただ監督上の措置は発表されていないので私の個人的な感覚で根拠はない。
 懲戒処分は懲戒免職、停職、減給、そして戒告の4種類だが、それに該当しないものが監督上の措置である。公の処分に該当しないが組織として注意を要するものが監督上の措置で、これも正式な処分の1つである。例えば署長注意がこれに該当する。この注意も口頭の場合と書面の場合があるがボーナス査定に影響を及ぼす。したがって懲戒処分ほど重くはないが、きっちりと落とし前は付けさせられる。
 免職処分になった者は前年比―12人の30人で、トップは窃盗・詐欺・横領など13人だった。2番目に多いのは異性関係で7人だったが、異性関係で懲戒免職とは何をしたのか気になる。
 と言うのも警察でも不倫はある。ただ不倫の処分で免職になることはなかった。昔も免職ではなく「辞めた方が良いのではないか?」と肩を叩かれ半ば強制的に辞めさせられていた。しかし最近では「辞めてしまうと生活の基盤を失う結果となる」という配慮から処分とともに人事異動の措置で終わっていた。したがって異性関係が不倫を意味するのであれば、なぜ免職という重い処分なのか疑問に感じる。
 懲戒処分は「懲戒処分の指針」という基準に基づいて行われる。これは職種に関係なく全公務員を対象とした指針で、この基準では万引きしても懲戒免職にはならない。しかし警察官が万引きしているのでは話にならないため、万引きした警察官には辞職という形で辞めさせている。したがって万引きしても免職にならない警察官が異性関係で免職というのは「未成年」関係ではないかと感じた。ただ下衆の勘繰り(げすのかんぐり)をするのもどうかと思うので、この話題はここで終わりにしたいと思う。
 懲戒処分者は前年よりも減少しているが、なかなか根絶できるものではない。ただ私の経験から職場環境が良い職場では、このような処分者が出るような事案は起きない。単なる経験則で学術的な根拠に基づいた話ではないが、明るい職場環境が不祥事の根絶の第一歩だと私は思う。

いいなと思ったら応援しよう!

本郷矢吹
 みなさんのサポートが活動の支えとなり、また活動を続けることができますので、どうぞよろしくお願いいたします!