共同通信社の誤報は大罪
Column~№42
共同通信社は生稲晃子外務政務官が2022年8月に靖国神社を参拝したという大誤報を報じた。この報道で24日に開催された「佐渡島の金山」の追悼式に韓国政府は生稲外務政務官の参列を理由に代表の参列を見送った。つまり共同通信社の大誤報は日韓外交に負の影響を与えた。
なおこの大誤報に対して林官房長官は共同通信社に政府として事実関係や経緯の説明を求める考えを明らかにした。
また共同通信社の水谷社長は外務次官に謝罪を申し入れ、韓国のメディアも配信内容が大誤報だったと時間を割いて韓国国内で報じたが、謝罪して訂正すれば良い問題ではない。同社は今年6月にも沖縄県議会選挙で誤報を配信したばかりだ。この時編集局長は「深くお詫びします。経緯を検証して再発防止策を講じ、正確な報道に務めます」とコメントを発表している。私はどの程度の再発防止策を講じたのか存じ上げないが、再発防止策とは名ばかりだとしか思えない。
生稲議員に関しては私も№38のコラムでコメントしたが、外務政務官を務めることに否定的な声がある中で再びこのような大誤報で傷付けられた議員の心中は察するに余りある。視点を変えれば齋藤兵庫県知事の報道のように「個人的な攻撃」を疑わずにはいられず、報道機関として非常に不適切な報道だと感じる。
ご本人に謝罪するのは当然だが、外交問題の責任が生稲議員にあるように報じたことを考えれば、謝罪もきちんと社長自らが行くべきではないだろうか。
次に日韓関係だが従軍慰安婦問題を見ても明らかのように報道が誤報だったと報じても元には戻らない。韓国政府は今回の大誤報が他の日韓関係に波及しないよう配慮を見せているが、報じた大誤報によって追悼式に影響を及ぼしたのは事実だ。不快な思いで参列した関係者にどう謝罪をしても許される問題ではないだろう。
そして最後に共同通信社自身の問題だが社長は辞任すべきだろう。私が辞任すべきと思うのは責任ではなく、人に辞任を求めるのであればまず自ら身を切るべきだ。何か不祥事があればすぐに記者会見で辞任の意向を確認するが、そんな質問を部下の記者にさせるからにはまず自ら辞任という手本を示すべきではないだろうか。それができないのであれば、今後の各会見で辞任の意向を質問するような記者を会見の場に入れるべきではない。
また私はこれを報じた記者にも責任はあると思うが、人にはヒューマンエラーが存在すると思っている。報じた記者も確認すべきだがそれを確認するのが上司の仕事であり責任である。したがって私は書いた記者以上にこれだけ影響を及ぼす記事の大誤報を見過ごした上司に責任があると思っている。