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邦人児童殺傷事件
Column~№21
またしても中国にて邦人の殺傷事件が発生した。6月に江蘇省蘇州市に続き、9月18日には広東省深圳市で同じく児童が襲われた。しかも4月3日にも同種事案があったことが後に公表され、今回は児童が命を落とした。立て続けに日本人を襲った事件に怒りを禁じ得ない。
中国の有識者などの専門家に話を伺ったが、戦前の「抗日武装戦線」のような組織の存在は確認されておらず、組織的な背景はないとのことだった。ただ「確認されていない」だけで存在する可能性があるとともに、3度も「偶発的な事件」が起きるのは疑わしいという。
中国における反日政策の説明は今更不要だと思うので説明を避けるが、反日感情での行動は投石であったり、殴る蹴るの暴行であったりは考えられるという。言い方を換えればその程度は自らの意思で行動しても「殺傷」となると背後関係を考えるべきだという。
では「背後関係」とは何かと尋ねると「中国人は金で動くので金をもらって犯行に及んだ可能性がある」とのことだった。ただし具体的な情報を分析して導いた結論ではなく、そう考えると理解しやすいという話だった。
具体的には日本企業の撤退を望む者。習近平の政権運営に批判的な者。そして日中関係の離叛を望む者など理由を挙げれば他にも多数あり、これらの目的を達するために金で雇った捨て駒の可能性が高いそうだ。この説明を聞いて現在の中国経済を考えると飛躍した話ではないと感じた。
どこの国でも国内政治をまとめるための敵視政策は基本的な政治手法の1つである。そして日本でも反中感情は大小様々な形で見聞きする。そんな意味では中国に「敵視政策を直ちに中止せよ!」と叫んでも意味がない。逆に私は異常なまでに中国を敵視する必要はないが友好国だという幻想は持つべきではないと思っている。
この事件の報道を巡り違和感を覚えた記事があったので紹介したい。大手新聞社の中国総局長が執筆した記事で中国の隠蔽体質が繰り返される事件を助長しているとの見出しだった。その中で「当局が再発防止に尽力しなかったとは言わないが、もっとできることがあったはずだ」と掲載していた。
「当局が尽力しなかったとは言わない」という日本の当局にも使わない言葉を中国当局に使っているのは迎合していると言わざるを得ない。国際部門の担当者は言葉が話せたり、接する人間が対象国ばかりでいるとその国に親近感を感じたりすることがある。情報を聞き出すために友好関係は必要だが心まで友好関係になっていては目が曇る。
私は本人にお会いしたことはないが、少なくても日本当局の担当者に掛けない言葉を加害国の当局に使うのはどうかと感じた。
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