日中関係
Column~№37
11日の夜、中国広東省珠海市で車が暴走して10人以上が死亡し、負傷者は100人を超える事故が起きた。この事故で車を運転していた62歳の男性は逮捕されたと言うが詳細な発表はない。
これだけ人を轢くには速度を出して突入するか、意図的に人を追い掛けて轢き続けるしかないだろう。だが前者の場合それだけの速度を出していればその場の者は危険に気が付く。そして事故現場は本来車の立入を禁止している場所との報道もある。これらの情報で考えると事故ではなく事件のように感じる。
中国の隠蔽体質は今に始まったことではないが、2011年7月に浙江省温州市で起きた高速鉄道事故では脱線した列車を埋めようとしたと言う話もある。事故現場に列車ごと埋めると言う発想はなかなか日本人には理解できない。
日本の外務省は蝟集場所で起きるいろいろな事件を懸念して在留邦人に警戒を呼び掛けたそうだが、情報統制している国ではこのような情報発信は非常に重要だ。
そんな中国に15日以内であればビザなしで滞在できるよう経済同友会の代表幹事が中国を訪問して要請した。この時に大阪万博の協力も要請したとのことだが、中国と経済的な関係を有する企業や団体、そして個人は歓迎するだろう。しかし中国人が来て靖国神社に落書きをされて不快に感じる人にとっては迷惑な要請である。
相互理解は交流から始まるのが基本だが戦後これだけの時間が経ち、また中国との交流が始まってから何世紀も過ぎた今、交流によって相互理解が深まるのだろうか。中国人の中には日本に好意を抱いている者もいる。だが無警戒な交流は慎むべきではないだろうか。
現在、トランプアメリカ次期大統領候補は外交や安保の要職に中国強硬派を就任させる予定だと報じられている。アメリカが強硬姿勢に舵を切った場合に日本は再び天安門事件の愚行を繰り返して良いのだろうか。当時世界中が非難する中で日本は懐柔工作に騙されて世界の架け橋を買って出た。その結果中国は恩義を感じたのだろうか。その結果が今の関係に活きているのだろうか。アメリカに追従するのが正しいとは思わないが、この時期に中国との関係を活性化する必要性は微塵も感じない。