八潮市道路陥没事故
Column~№64
埼玉県八潮市で道路が陥没する事故から7日になる。今も復旧作業に追われているが、なかなか進まないのが現状のようだ。現場に従事する消防及び警察、そして県庁職員の方々は過酷な勤務を強いられているが是非頑張って欲しいと思う。
私はこの陥没現場を見ていて地震災害の現場を思い出した。八潮の現場は災害現場と違って局地的な発生ではあるが、その方がどれだけ大変なことなのかがご理解いただけると思う。つまり1ヵ所だけでも救助作業がなかなか進まないと言うことである。
発生から現在まで消防隊を中心に救助活動が続いているが、消防隊も高度な技術を有している。警察と消防では時節を捉えて合同訓練を実施しているが、その時に見て平素から訓練されていることがよく分かった。私はこの合同訓練を企画したこともあるが、救助活動と言うのは思っていた以上に何もできないと言うことである。
合同訓練では会場に模擬訓練場を設定する場合と取り壊し予定の庁舎を利用する場合がある。前者の場合は実際に強固な現場を作り出すことができないが、後者は実際に建物を使用するため本格的な訓練となる。なかなか取り壊し予定の庁舎も少なく、また解体契約の関係からあまり好き勝手に壁やドアを破壊することもできない。だが本物の建物を使えると言うことで隊員たちの士気も上がる。
このような訓練ではないと使えない器材をいろいろと試しながら救助活動の訓練をするが驚くほど作業は進まない。コンクリートの壁に穴を空けるのも「これ程まで時間が掛かるものなのか」と感じる程だ。つまり普通に作業をするだけでもなかなか進まないのに安全を確保しながら作業を進めることがどれだけ困難なのかが良く理解できた。
土砂をかき分けるのも人を傷付けないようにするためスコップなどを使用するが、人がスコップでかき出せる量などほんの僅かな量だ。かき出しても、かき出しても減らない土砂を諦めることなくかき出し続ける努力は本当に素晴らしいと思う。
本日、陸上自衛官3人が能登半島地震の初動に遅れたとして5日間の停職処分にしたと発表した。残念なことではあるが、災害現場では救助隊の救援を本当に待っている。そのためにもいち早い出動ができるように、そして現場でひとりでも多く救出できるように関係者は日頃から訓練を重ねている。