「澗」という罰金
Column~№34
ロシアにおいてグーグルに2澗ルーブルの罰金を支払うよう命じる判決が下された。日本円で換算すると3澗円になりこの漢字は「かん」と読み3の下に0が36個も付く単位だそうだ。イメージができないため「兆」の単位で計算してみたら3,000兆円の下にまだ0が21も付く。つまり3,000兆円を1000兆倍にした額に、更に1万倍すると言う馬鹿げた数字の額だった。ただ私の持ち得る計算機では計算できないので間違えていたらお詫びしたい。
この裁判はグーグルがロシアのウクライナ侵攻以降ロシアメディアに対する規制を強化したことに端を発したが、現地法人もすでに破産申告しているので罰金を支払う可能性は極めて低い。しかしこれだけの馬鹿げた数字がどう弾き出されたのか。根拠は実に興味深いものがある。
権威主義国への企業進出はいろいろな形でニュースになるが、なぜこうもトラブルが続くのかと不思議に思う。単に金儲けだけでなくリスク管理も併行しているだろうが、相手は権威主義国でありその中には仮想敵国と定めている国もある。政熱経冷と言う言葉もあるが権威主義国にその言葉が通じるとは思えない。
一方では経済的繫がりを深めることでの国際紛争を抑止する考え方もある。完全に交流を断つよりも少しでもパイプは多い方が良いと言う主張も理解できるが、個人的には土下座外交の必要はないと思っている。
私も作家として活動しているが紙媒体だけでなく映像の仕事でもお声掛けをいただいている。非常に嬉しい話だがある方から「中国に否定的な作品は採用できない」と注意された。話によればスポンサーと市場の2つの問題があるという。スポンサーの問題は映像制作には中国系スポンサーが重要だという話だった。そして市場とは配信など中国に売り込めるか否かで映像化の可能性が大きく変わるという。
当然多くの方々に作品を目にしてもらいたいと言う気持ちはあるが、そこまで迎合して作品を書きたいとは思っていない。単に中国人が好きだとか嫌いだとかではなく地政学、また国際政治と言う分野で中国を捉えた場合、それが日本にとってどうなのかである。
経済分野に携わる方々の視点は当然私とは違うし、違って当たり前だと思っている。したがって本郷作品として「中国は素晴らしい。この国は楽園だ」と望まれてもそんな作品はお金をいただいてもお受けできない仕事だと思っている。そんな意味で企業には企業利益だけでなく企業理念もしっかりと考えていただきたいと思っている。
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