北朝鮮の弾道ミサイル
Column~№55
今日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したとニュース速報が伝えた。北朝鮮の弾道ミサイルは毎年性能を向上させているが、これを止める手段はどこの国も持ち併せていない。少し前まではミサイルに液体燃料を使っていたが、今や固定燃料を使用するに至った。
液体燃料は不安定なためミサイルに燃料注入すると早々に発射しなければならない。そのため事前にミサイルの発射を察知することができた。だが固体燃料はいつでもどこでも自由に発射できるため、移動や隠匿が自由となり事前の探知が難しくなった。だが発射した時の燃料噴射によって発射は感知できるが日本への到達時間はあっと言う間だ。したがって自衛隊の迎撃に頼るしかないのが実状だ。
また北朝鮮は昨年ウクライナとの戦闘に派兵している。派兵について西側諸国はいろいろと報じているが北朝鮮は兵士が死んでも関係ない。大きく間違っているのは西側の概念には「犠牲者数」があるが北朝鮮には犠牲者数など関係ない。北朝鮮の兵士総数を考えればウクライナ戦で出した死者数など気にもしていない。もし気にしているとすれば思った以上に犠牲が出たという戦闘力の見込み違いくらいのものだろう。
北朝鮮と日本は拉致問題があり、国交を持たない国でもある。近年の軍事問題は中国が注目されるため北朝鮮脅威論は中国以上に騒がれることはなくなった。しかし潜在的脅威は何も変わっていない。むしろ偽札や覚醒剤のような小金を稼ぐことをやめて、軍事とハッキングに戦略を変えている。
日本は北朝鮮の変革をきちんと理解しながら国家戦略を講じていく必要があるが、北朝鮮との交渉はいつも途中で頓挫する。政権が変わる度に北朝鮮との交渉を試みているが、そこには必ず金銭的な要求の話を耳にする。また北朝鮮側は日本の政権がどの程度支持され、政権としてどの程度の力があるのかを良く研究している。そんな意味で考えると少数与党の現政権が北朝鮮と交渉をすれば足元を見られるのは間違いないだろう。北朝鮮との交渉だけではないが、まずは国内政治をきちんと安定させることこそが新年の課題だと思う。