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韓国の戦略司令部

Column~№26
 韓国国防省はアメリカ軍戦略司令部の窓口となる「戦略司令部」を10月1日に創設した。戦略司令部創設の目的は北朝鮮からの攻撃に即応するため、ミサイルや戦闘機などの統合運用を図るという。また位置付けとしては在韓連合司令部の傘下になるそうだ。
 そして戦略司令部では米軍の核兵器による北朝鮮への報復攻撃の共同訓練も主導するというが、核保有国に対してアメリカが核兵器を使用するのか疑問である。
 EUを含めたアメリカはウクライナに対して、ロシアが核兵器を使用するに至るまでの支援はしていない。そしてロシアが核の使用を口にしても支援各国は核による報復措置を明確に約束していない。
 日本もアメリカの核の傘に守られているが、この問題に関しては日本国内でも意見が分かれている。つまり日米同盟がある以上、日本への核攻撃に対して報復攻撃をしてくれるという意見がある一方、他国のために核は使わないという意見である。
 口頭で、そして書面で約束が交わされていても実際に使うか否かはその状況を迎えない限り分からない。だが核兵器による報復攻撃の決定権は日本が持てるものではない。つまり決定権はアメリカにある。だからと言って核保有国になろうと言いたいわけではない。私が言いたいのは他国の兵器の使用判断を日本が勝手に決めることなどできないということだ。そして「核の傘を本当に信じていて大丈夫なのか?」という疑問である。
 南北関係はいまだに終戦協定に至っておらず、いつ再び開戦になってもおかしくない状態が続いている。特に前金正日政権までは武力統一を掲げていたが、現政権は南北双方を完全な独立国家として統一を放棄した。つまり真偽は別にしても武力統一も平和統一も放棄し、そして憲法を改正して明記までしている。
 これは戦闘がないという意味ではなく北朝鮮は侵略に対して核兵器の使用を公言している。したがってそのための戦略司令部になるのだが、日本はこの戦略司令部の動向をしっかりと見守る必要があり、韓国同様に「核の傘」にある国として国家防衛戦略を議論すべきだと思っている。
 

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本郷矢吹
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