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無責任な言論

Column~№35
 TBS系列で放送されている「サンデーモーニング」という番組がある。今この番組に出演したコメンテーターの発言が問題になっているが、番組はもちろん放送局も言論の自由や表現の自由について考える時期に来ているのではないだろうか。
 今回問題になったのは教授の発言で、与党が議席数を減らしたことに対する国民民主党の政策のあり方についてのコメントだった。教授は国民民主党に投票した人は与党を否定した人たちであるため、国民民主党はそれを踏まえて政策を判断して欲しいという趣旨のコメントをした。この発言がSNSで炎上したものだが、この教授は同じ番組で福島第一原発事故の処理水を「汚染水」と発言してSNSで炎上した過去がある。
 この番組に出演するコメンテーターは他にもYouTubeで自民党支持者を「劣等民族」と愚弄した人がいたり、自由民主党の高市早苗議員を「安倍(晋三)さんが女装して現れた」「中は男でしょ」と言った大学総長もいた。
 番組は問題発言だと思っていないのであれば、炎上しても同じコメンテーターを出演させれば良いのであって降板などさせる必要はない。しかし問題だと思っているなら同じ人を出演させないだけでなく、繰り返される出演者への発言を番組として、そして放送局として再発防止策を打ち出すべきではないだろうか。
 政府の政策を全国民が諸手を挙げて賛同する国も真面だとは思わない。それはテレビも同じで政策に異議を唱えることはあるべきだと思う。だが話している内容は批判であって主張ではない。国民民主党の玉木代表が掲げた「対決より解決」ではないが、批判や不安を煽ってばかりいる番組に視聴者は辟易していることに気付く時期ではないだろうか。
 表現の自由もわいせつに関しては1957年に上告が棄却されたチャタレー事件があり、中傷誹謗に対しては侮辱罪や名誉毀損罪が定められている。したがって無制限に認められないのは当然だが、今の時代はハラスメントという概念も存在する。言葉だけなく相手がどのように受け止めるかと言う視点が重要視されている時代に「表現の自由」を掲げて好き勝手にコメントできる時代ではない。特に放送法という法律で国から特別に許認可を得た放送局は責任を持って考えるべきだと思う。

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本郷矢吹
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