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「大人の翼」ThinkPadの好きなところと、ノートPCの天板のロゴの向きの話

ThinkPadが大人の翼というキャッチコピーで広告を出していたのは1997年らしい。今から25年くらい前の話ですね。

当時、ドナルドフェイゲンのI.G.Y.という曲のイントロと、大人の翼という魅力的なキャッチコピーのノートPCのCMを何度か見て、ThinkPadってかっこいいなってずっと思っていました。その時からずっとThinkPadといえばこの曲が思い浮かぶくらい、イメージとしてずっと頭に残っています。

その後、ノートPCと言えば比較的ThinkPadを選んで使ってきているのですが、ThinkPadって昔から一貫して真っ黒で無骨なイメージがありますが、実はすごく繊細なこだわりポイントが詰まったノートPCだと思います。スペック以外の感性的な特徴が好きで気に入っていました。

ただ、昔はよかったというようなことは安易に言いたくないのですが、最近はその私が好きだったポイントが、少しずつ変わってきてしまっています。開発コンセプトとしてのこだわりの傾向が変わってしまったのか、コスト的な合理化により特徴が薄くなってしまったのか、理由はわかりませんが、個人的には少し寂しい気もします。

そんなThinkPadの好きだったポイントを紹介します。

まずは表面の手触りです。ピーチスキン塗装と言われていた、桃の表面の柔らかいちょっとふっくらしたような触り心地の塗装が施されていました。その手触りは最近のThinkPadにも引き継がれているとは言われていますが、20年くらい前のものは明らかにピーチスキン度合いが違っていたと思います。ノートPCという機械とは思えないやさしい触り心地で、ピーチスキン塗装という名前は後から知ったのですが、名前を知ってなるほど!と納得しました。
真っ黒で無骨でエンジニアに人気があるような堅物なイメージのノートPCなのに、桃の表面みたいな手触りとか素敵ですよね。

もう一つはこれもThinkPadの特徴の一つであるトラックポイントの手触りです。これが、昔はざらざらとしたやすりの表面のような手触りでした。猫の舌の触り心地とか言われていました。最近標準になってしまったゴム製のものよりも、確実に指先をとらえてくれて操作がしやすかった記憶があります。

塗装もトラックポイントも手触りの話なのですが、人が触れるものとしての繊細なこだわりという感じがあって、とても好きでした。

それにしても、猫とか桃とかずるいですよね。

最後のポイントは天板のロゴの向きです。

個人的には、天板に入っているブランドロゴをどっち向きにしているか、というのは気になるポイントです。最近のノートPCはおそらくすべてが蓋を閉じたときに、ロゴは逆さまになっていると思います。
これ、ノートPCが作られ始めた最初のころは、ほとんどが今とは逆向きで、ノートPCを閉じたときに、自分から見て正しく見える向きに書かれていました。
WikipediaでiBookを見ると、初代のiBookとかも、りんごマークがこっち向きになっていたことがわかります。

で、私はノートPCを閉じたときに、逆さまになっていないPCが好きでした。
PCを使い終わって、天板を閉じたときに、ロゴが正方向になっている方が落ち着くからです。最近のmacbookとかも、天板を閉じると逆さまのリンゴが見えるわけです。
これってなんか気持ち悪いですよね?

もちろん事情は分かります。天板を開いて使っているときに、使っている人を正面から見て、ロゴが正方向になるようにしているんですよね。
その方が見た目も映えるのは確かだと思います。
でもこれって、そのノートPCを使っている人を見たほかの人に対してロゴを見てもらうための向きについているという意味で、なんとなく広告的な感じがしないですか?天板が広告になっていて、それを掲げさせられているような。

見方がひねくれているかもしれませんけど。

それで、ThinkPadは比較的最後まで、このロゴが自分の方を向いているパターンだったのです。
最近のThinkPadは結局逆さまになってしまったんですけど、ロゴの向きが変わったときはそのことが記事の見出しになったりもしてました。
この記事の筆者の方も似たようなことを書かれていて、すごく共感しました。


ThinkPadってこういったスペック以外の感性的なこだわりがいろいろ詰まっていたノートPCだと思うんです。
スペック以外の触り心地とか、心地よさとかにこだわりがある、っていう点が、「大人の翼」っていうキャッチコピーに実はあっていたんじゃないかなって、改めて思いました。


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