PPP的関心2024【視察メモ@廿日市市・広島、山陽小野田・山口①「まるくる大野」】
年が明けて3週目。今週は広島・山口・栃木・大阪と結構動き回りました。それなりに疲れましたが、とても学びの多い1週間でもありました。
今回は動き回った記録の中から、東洋大学PPPスクールの先生、メンバーと一緒に視察にお邪魔した廿日市市・広島、山陽小野田・山口の公民連携事例の視察記録を記事にします。
「まるくる大野」視察メモ
まるくる大野は従来から提供されていた行政サービス(市民センター、体育館、図書館)に加えて新たに「子育て支援機能」を備えた複合施設です。
行政の視点で言えば、既存施設(大野市民センター、大野体育館、大野図書館)耐震性と老朽化への対策ということだったわけですが、市域の広がりと市場の動き(手頃で広く、都市部に通える利便性もそれなりであることに対する期待からの供給拡大)で、ベッドタウン化が進展してきた結果の人口・世帯増をうまくとらえた立地選定と機能複合化だと思いました。特に子育て支援関連機能(学童施設、学習スペース、子ども図書館、スポーツ練習施設としての体育館など)は充実しているなと感じました。
視察メモ。今後の「行政のモニタリング」と対応に注目
この事業はDBO(Design Build Operate)方式で公募された「廿日市市筏津(いかなづ)地区公共施設再編事業」の優先交渉権者により整備、加えて事業契約時に設立した「株式会社マチノニワいかなづ」が指定管理者として運営を担っています。
DBO方式はいわゆる公設民営方式(資金調達は行政、施設の建設や運営業務を包括的に民間事業者が行う)ものなので、当初事業計画の進捗やアンノウン事象に対する対応などモニタリングする役割は行政が自ら負うことになる(民間の資金調達資金によるPFI方式ではその役割は金融機関など第三者)わけです。つまりDBO方式はある一面で「公共事業」です。
現時点では、例えば施設の一つの機能が集めた人をターゲットにするような連動したビジネス(例えば図書館やフィットネスに集まる人々を対象にした飲食としてのキッチンカー導入など)にあたって現実を踏まえた無理をしない経営を許容している点など官民の連携はうまくいっている様子が伺えましたが、肝心なことは「この先の持続可能性」だと思います。
ここからは個人的な妄想ですが、指定管理受託者の業務範疇との連携をさらに進めるヒントとして、施設を使う動機を高める誘引策(例えば、一定年齢以上でフィットネス定期会員になると行政としての扶助費出費抑制分の一部をバウチャーなどで本人還元するとか、周辺にサイクリングやランニングのコースを設けてランステ化するとか、近隣にある給食センターの調理機能を活かした健康食サービスのような連携の可能性検討)の検討にあたって「行政だから可能な支援」を付加するような民間への協力、連携を拡大してゆくと「使い続けられる施設」になるのではないかな、などと思いました。
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