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PPP的関心【施設整備とネットワーク整備を連動させる「まちづくり」】

今週もギリギリになってしまいました。2021年に立ち上げたRRP社としての活動も1年が経ち落ち着いてきたこともあり、今年度は「現場を見る」機会を増やそうと思い、動き始めています。そんなことで色々ふらふらしていると、定期的な良いリズムができていた「PPP的関心」のようなアウトプットも乱れがちに(自制心が弱いともいうww)・・・。ということで、今週もようやく配信です。今週は「まちづくり」における「連動」について。
写真は7月末に訪問した下妻市の砂沼の様子。SUPには最適な感じです。

施設整備(再編)と交通機関との「連動」。当たり前だけど注目されにくい視点

多目的同時解消を目指す施設の整備

記事によると、今回の病院施設整備は施設の安全性と機能のアップデート+人口動態を踏まえた病床数の削減(による自治体経営の効率化と最適化)+(周辺自治体との)広域連携の実現、と現代的な多様で複雑な地域経営課題に対する「多目的同時解消」を目指した事業であることが読み取れます。

「多目的同時解消」という取り組み方針は、結果から見れば当たり前のことのように見えますが、複数(かつきっと多数)のステイクホルダーそれぞれからの要望と優先順位を組み合わせてゆく過程は、おそらく大いに骨が折れるワークだったと思います。

交通ネットワークの整備との連動

個人的には施設整備のレベル感よりもこちらの方が重要なのではないか、と思うのが交通(滞留、徒歩、車、公共交通を含めた交通)との「連動」だと思います。

鉄分多めの関心をもお持ちの方であれば記憶にあるかもしれませんが、この病院へのアクセスは「廃線後に復活した路線」として有名な可部線の終点となったあき亀山駅の駅前にあります。鉄路の復活で定時性が高く大量輸送が可能な公共交通が確保されたわけです。さらにバスも3路線新設プラス既存路線のルート変更による他公共施設・商業施設間の移動も含めた利便性向上も含めたを果たしているそうです。病院ユーザーの日常動線を考えたネットワーク整備は利用者に受け入れられやすいのではないかと考えます。
また、これは「連動」に見えないかもしれないですが、新病院に設置された地下駐車場をはじめとしてキャパを2.6倍以上にした駐車場整備や、病院の周辺道路整備(記事では横を流れる小さな河川に橋をかけたことで道路交通の利便性が改善された)も大きなインフラ整備だと思います。公共交通利用を目指すことは環境配慮や効率性観点で意味のあることは承知ですが、現実問題として地方のクルマ依存度を急激に変えることは難しいわけで、現実的な選択がされている点には注目です。

施設整備+交通ネットワーク整備の「連動」によって人を集める場所にする(なる)ことは想像に難くありません。一方で、集まった先の居場所が快適でなければ人は滞留もしなくなる、集まりにくくなる。そのような可能性を低下させておく必要があります。それが「安佐市民病院も、川沿いの道路に面した場所にベンチやテーブルを置き、植栽を整えた」とあるような取り組みに現れていると思います。
これも広い視点で「交通との連動」だと個人的には思います。

まちづくり=ヒトモノカネの流れをよくする・太くする という視点

今回の記事も、施設整備と交通ネットワークとの連動による「まちづくり」という視点を持って書かれていました。
まちづくりとは何か。この問いにはさまざまな答えがありと思います。それはそもそも「まち」を見る立場・見方、切り口が多様だからです。個人的には「ヒトモノカネの流れをよくする・太くする」か?という視点で見ることにしています。
自分の視点では、施設整備に目を向ける際にその場所には目的となるようなモノやコトがあるかを見るわけですが、交通ネットワークとの連動というのは物理的な「流れ」には不可欠な要素であるわけです。

当たり前?でも現実は?

ここまで記事を読んでみて、実際の「効果」はこれからにしても、施設整備と交通ネットワークの連動というのは施策の効果期待を高めると思います。
目的的な意識を持っていれば「連動」をあわせて考えるのは当たり前のことだと思われる一方で、現実にはそれほどクルマ・電車・バス・徒歩・滞留性まで「幅広な手段」をネットワーク連動対象と捉えていることは少ないかもしれません(それだけ不動産立地的要件に可能性があったという点は否定できないとは思いますが)。

今回は「幅広な手段」をネットワーク連動対象と捉えた施設整備と交通連動という記事の紹介でした。それではまた次回。

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