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FP技能士とFP協会の話
【単発シリーズ#08】
皆さんはファイナンシャルプランニング技能士という国家資格をご存じでしょうか? いわゆる「FP」というやつです。知名度としてはかなり高い方だと思うので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
さて、ここから若干批判的な内容が含まれ、賛否両論ありそうなことに言及するため最初にお断りしておきます。筆者は「FP資格はぜひ皆さんに取得を目指してほしい」と考えている資格です。この資格自体、マネーリテラシーを高めるためにも非常に有益で、多くの方に挑戦していただきたい資格です。また、取得難易度の点でもチャレンジしやすい資格だと思っています。
もちろん、それを専業とされている方や、銀行など金融業界で働いている方、あるいは代表的な例として保険会社に勤務されている方にとって、FP協会に加入し情報を得ること、AFPやCFPの資格を獲得することはとても重要だということは筆者も理解しています。
私自身はというと、先に挙げたどの業界にも勤務しておらず、純粋に「個人としてマネーリテラシーを高めるため」に趣味の延長としてFP2級から、興味本位でAFPの資格を取得しました。したがって、今回はそういう立場の人間から見たコラムであることをあらかじめご認識ください。
では、そもそも何が言いたいのかというと…もうこれが結論なんですが、日本FP協会の年会費がコスパ悪すぎ! ということです。ここまではまだ百歩譲って許容できるとしても、AFPやCFPの資格を取得した場合、これを維持するのにかかる費用と時間が、もうめちゃくちゃ大変なんです。
AFPやCFPを維持するためには「単位」というものを取得する必要があります。単位を得るためには、講習を受けたり、セミナーに参加したり、あるいは自分が講師になって講演をしたりといった活動が必要です。首都圏に住んでいる方ならまだしも、地方だとセミナーに参加するだけで移動費がかさみますし、たかが2時間の講演に出席するために、移動時間を含めると半日が潰れる、なんてこともザラにあります。当然ながら、講演も無料ではありません。
ここからはFP資格に限らない話ですが、法律に関わる資格は法改正に合わせて知識をアップデートする必要があります。そのため、こうしたセミナーに参加することは有効だとは思います。しかし、FPはとりわけ”広く浅く”を扱う資格です。例えば、宅建や行政書士よりもはるかに広範囲の法律知識が求められます。そうなると、法改正のたびにセミナーを受け続けるのは、さすがに負担が大きすぎるのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、これを本業としている方、例えば年金アドバイザーや資産カウンセラーなど責任のある仕事をしている方には、知識のアップデートは必要不可欠だと思います。しかし、一般の方がマネーリテラシーを高める目的で取得しただけなら、そこまで厳密に法改正を追いかける必要はないと考えています。もし(執筆時点の'24/12時点だと103万円の壁のような)大きな法改正があれば、ニュースや報道で目にする機会があるはずですし、すでに一定のリテラシーがある人なら、そうした情報にも自然と敏感になるはずです。
つまり、一般取得者にとっては、どう考えても不要な講習やセミナーを受け続ける必要がある仕組みになっているんです。それでもAFPやCFPを生業とされている方にとっては、この仕組みが重要であることは間違いありません。
ここで少し話を戻します。そもそもFP資格を取得しようとする人、あるいはFPに興味を持つ人は、マネーリテラシーがすでに高い、もしくは高めようとしている人が大多数ではないでしょうか。そんな人たちを対象にした、このコスパの悪い商法が成り立つのか…正直、疑問です。
…とはいえ、多くの方がこう思ったのではないでしょうか。「お前、それなら取得前にちゃんと調べてから判断しろよ!」と。これについては、全くその通りで、私も反省しています。
なお、FP協会会員や、AFP/CFP会員の方々の名誉のために付け加えておくと、会員になると「FPジャーナル」という会報誌が配布されます。この冊子は非常に完成度が高く、質の高いコンテンツが含まれています。これが無料で配られることを考えれば、この側面から見ればコスパは良いとも言えます。
つまり私が言いたいのは、「FP資格は数ある資格の一つにすぎず、マネーリテラシーを一定水準以上に高める目的で取得したなら、そこまで費用と時間をかける必要はないAFP/CFPの資格は必要無いのではないか」ということです。あくまで一個人の意見ですので、最終的な判断はご自身の状況に合わせて行ってください。
逆に言えば、AFPやCFPの資格を維持している方は、ただでさえ維持するために膨大な時間及び費用を必要とするだけではなく、それだけ継続的に勉強をし、知識をアップデートしている方ということになります。そのような方々は、FP技能士2級や1級の取得者よりも実務面で非常に信頼がおける存在と言えるでしょう。一般の人には気づかれにくいかもしれませんが、そういう視点でAFPやCFPの資格者を見ると、自然とリスペクトも高まるのではないでしょうか?
最後に、このコラムの要点をまとめます。
AFP資格およびCFP資格は、一般の方が取得・維持するには向かない資格である。
維持には非常に多くの時間とお金がかかる。
反面、それを維持している方々は非常に信頼できる存在である。
以上です。FP資格に興味がある方の参考になれば幸いです。