これを見なきゃ一生の損! 『パーフェクト9』99.10.18 矢部明洋
今年一番励まされた。
今年一番泣けた。
ごちゃごちゃ言わんと見るべし。東京にある身体障害者の野球チーム「東京ロッキーズ」を追いかけたドキュメンタリー作品だ。
個人的に野球は余り好きではない。幼少の頃から、我が家の近所には吉外じみた阪神ファンのオッサンがあまた棲息していたため、いまだに野球というジャンルには敬意を持てない。でもそんなことは全然ノープロブレム。
上映しているのはJR中野駅からすぐの中野武蔵野ホールだ。
ここでは昔、『無敵のハンディキャップ』という身障者プロレスのドキュメンタリー映画をみたことがある。私はプロレスの味方だが、プロレスは情念が噴出しドロドロしがち。野球はやはりルールも洗練されているせいか、さわやかだね。『パーフェクト9』はその点で『無敵のハンディキャップ』よりも多くの人に違和感なく受け入れられるだろう。
今のところ中野武蔵野ホールでしか上映していない。それも朝10時からのモーニングショー1回だけだ。飛行機に乗ってでも見に行ってくれ。そして、せっかく高い交通費を使って行くなら、ドッグレッグスの身障者プロレスや全日本女子プロレスのミゼットプロレスの興行も見てきてくれ。帰りには古本屋に寄って漫画『どんぐりの家』を全巻セットでお土産に買ってくれ。
最後に一言断っておくが、気の毒だとか同情とかじゃないんです。生きて行く上で何を一番大切にすべきなのかということを私は教わった気がしたんです。希望が持てました。ありがとう!
と、ここまで書いて、ふと会社にあった「シティ情報ふくおか」というローカル情報誌をめくっていたら、何と10月23日、福岡県で『パーフェクト9』の上映会が催されるというではないか。いい街じゃないか、福岡は!