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全ての人から好かれることを諦める

自分をさらけ出すというのは、なかなか難しいものだ。ある友人の話を聞いていて最近そう思った。

見栄というものは、意思を超えた反射的なスピードで自分を守りに来る。本人がその気でなくても、ついついさらけ出せないということが多々起きる。その癖をそのままにしておくと、それが本人も気づかないレベルで定着してしまうのだからとても怖い。ほんとに見栄というヤツは可愛くない。憎たらしい。

僕は見栄は素直さとしても捉えられると思っている。そしてそこには3パターンの人がいる。素直な人、素直だけど素直になりきれない人、素直じゃない人だ。

人間はやっぱり動物だなぁと思うのは、その差にとても鋭くて、後者に行けば行くほど自然と防衛本能が働いてしまうことだ。どのパターンだって間違いなくいい人はいる。だけど、なんか疲れるとか気が緩まないとか、そういう時は、防衛スイッチが入っているケースが多い。そこでいい人かどうかは関係がない。

つまり、素直さは信頼に直結する。そりゃそうだという話で、防衛本能が働いてしまう人に信頼を寄せろなんて無理がある。

僕自身、腹の底の底の底から話が出来る人がなかなかいなかった。特に男友達でそうだった。だからここ数年でようやくそういう友人ができ、ここ最近増え始めた。それはすごく自分でも喜ばしくて、何が変わったんだろうと少しばかり理由を考えてみた。

一つは、全員から好かれることを諦めたこと。つまり、嫌われたくないという感情を捨てた。僕の場合は小学校で仲間外れにされた経験から、嫌われたくないという気持ちがスタートしたと思う。それから長らく無意識のうちにいい人でいようと努めた。いい人であれば友達はできると思ってたが、そうではなかった。Facebookのフレンズ数が増えていくだけだった。

また数年前にお付き合いしていた女性と別れる時、なかなか言い出しづらい条件下かつ、あまりにも共通の友人が多く、別れたら友達が減ると思ってビクビクしていた。今思えばしょうもない悩みだが、本気で怖かった。けど、もう嫌われてもいいや!と思えてからすごく変わった。それでも付き合ってくれてる友達は本当の友達だと分かったし、相手がどうこうより、自分が繋がりたいか、繋がりたくないかで動けばいい。それでいいのだ。


もう一つは、ゆっくり話すこと。瞬間的に出てきたものを答えずに一度飲み込んで、考え直して話す。その時、会話が止まるかもしれないけど、それはコミュニケーションが止まったことにはならないと僕は思う。Waseiの鳥井さんも近しいことを言っていて、本当にそうだなぁと思った。

隠居系男子:僕がイベントやインタビューでお話する時に大切にしている3つのこと。

また、パンパンとコミュニケーションをスムーズに行うのが全てじゃないと思う。チャットとリアルは違うのだ。みんなで一つの空気感を、一つの熱を共有しているのだ。だから、この人は一生懸命に自分の言葉を探している、そういう風に見てくれるはず。それでこいつトロいなぁなんて思う人とは、自分から友達を願い下げてしまってもいいのだ。

まだまだ僕も見栄を張ってしまうし、修行がたりない。けど、通じて思うのは他人に素直になる前に、自分に素直になることが大事だ。自分の行動や発言に対する違和感に負けないこと、投げ出さないこと、逃げ出さないこと、信じ抜くこと。

30歳になって、ようやく大事MANブラザーズバンドが心に響く。note世代にどこまでこの締めが伝わるのか謎だけど、とりあえずまァそんな今日この頃である。

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小林 達仁
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