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#7【建築探訪】マジョリカタイルのレジェンドに出会う 台湾花磚博物館(嘉義)



絶対行くべき嘉義のマジョリカタイル博物館

コーヒースタンド「スピード」で休憩した後は、マジョリカタイルの博物館・台湾花磚博物館へ。嘉義に行くなら絶対に訪れたいと思っていた場所のひとつです。行きたい場所が多すぎて悩ましいですが…!

ちなみにコーヒースタンド「スピード」の記事はこちら。

そもそも花磚(マジョリカタイル)ってなに?

花磚(マジョリカタイル)は、台湾で装飾用に使われていた、釉薬を施したカラフルな陶磁器タイルのことです。
特に日本統治時代に日本から台湾へ輸入された「和製マジョリカタイル」が有名で、主に台湾各地の伝統的な住宅や商店の装飾に使われました。
カラフルで立体的なデザインが特徴的で、日本の愛知県(名古屋・常滑・瀬戸など) のタイル工場で生産されたものが多いそうです!

ただ可愛いだけじゃない・縁起担ぎのモチーフデザイン

マジョリカタイルのデザインはただ可愛いだけではなくて、縁起の良いものや富の象徴が多いです。例えば、富の象徴である「牡丹」、長寿・健康を表す「桃」などはよく見かけるモチーフです。語呂合わせの縁起担ぎもたくさんあり、ダジャレの文化は世界共通。

なぜ嘉義にマジョリカタイルの博物館が?

嘉義市は日本統治時代の建築文化が色濃く残る地域であり、当時は木材加工業で発展した都市。伝統的な建築とタイル装飾が融合するこの地に博物館を設立することで、地域の歴史をより深く伝えられると考えたようです。そう考えると、この博物館が嘉義にあるのも納得ですね。

いざ、台湾花磚博物館へ

ついに台湾花磚博物館に到着!スタッフの方が案内してくれるまで外でしばし待ちます。入場料は100元。
外にも貴重なタイルがたくさんディスプレイされていて、中に入ってないのにすでに楽しい。

こぢんまりとした入口ですが、人だかりでわかりますね。
この扉の中には素敵な世界が待っています。
日本統治時代に大量生産されていたTR(Taiwan Renga)タイル。


長寿を象徴する鶴の絵柄が入口に。
博物館が長く愛されるようにという意味が込められているのかな。

そして、ついに博物館の中へ。建物中がタイルだらけ!興奮しすぎて言葉を失いました。以下、言葉より写真のほうが伝わると思うので、素敵なタイルたちを写真でお楽しみください・・・!

入ってすぐの壁面。凄すぎてため息しか出ない。
牡丹、鯉、金魚などの縁起の良い絵柄で溢れる壁面。
普段自撮りなんてしないのにしたくなっちゃうくらいタイルのワンダーランド。
目を惹くフクロウの絵柄は知恵の象徴。右中央にはタイルの裏側でメーカーを見分ける解説表も。
上にもノスタルジックな世界が広がっています。
アンティーク家具との相性も抜群。
座面にタイルがあると一気に個性的でレトロ感のあるチェアに。

しっかり見ようとすると1日かかるのでは・・・というくらいのボリューム。
この空間に来ることができて本当に幸せでした。

タイルレジェンドも「全力おもてなし」

最後に1階のグッズ販売コーナーへ。見て回っていると、鐵窗花の日めくりカレンダーを発見!このときすでに5月だったけれど、日めくりの写真があまりにも素敵だったので購入することに。外箱のデザインもかわいいし。

近くのスタッフさんらしき男性に「このカレンダーいくらですか?」と聞いたら、
「あげるよ〜」
・・・聞き間違いかも。もう一度聞いてみる。
「あげる〜」
やっぱり「あげる」と言っている・・・!
「スピード」に続き、嘉義で2度目の「全力おもてなし」を受けてしばし放心状態。もう5月だったというのもあるだろうけど、お金とらずにあげちゃうって台湾ぽいですよね。
とっても申し訳ない気持ちになったので、台湾華語の勉強も兼ねてマジョリカタイルの本を買うことに。あれ?この表紙に写っている男性。・・・よく見たらさっきの「あげるよ〜」の人ではないか!なんと先ほどの男性、この台湾花磚博物館の館長・徐嘉彬さんだったのです!レジェンドにカレンダーいただいてしまった・・・!

館長はとんでもないタイルレジェンドだった!

後でよく調べてみると、徐さんは20年以上かけて、台湾全土の取り壊されてしまう建物からマジョリカタイルを救出し、嘉義の歴史的建築物を改修して「台湾花磚博物館」を作ったのだそう。そしてマジョリカタイルのよさを広めるべく多額の資金を研究開発に投入し、百年前のマジョリカタイルの複製に成功。さらに建材市場に参入し、マジョリカタイルの古典的な美しさを現代生活に取り入れることを可能にしたとのこと。マジョリカタイル愛すごすぎる・・・!その熱意に脱帽です。

そんなタイルレジェンド・徐さんから直接タイルの保存活動の話を直接聞くこともでき、嘉義に来てよかった〜!と心から思いました。徐さんからマジョリカタイルの良さを広げようという気持ちがものすごく伝わってきて胸が熱くなりました。

レジェンドにもらったカレンダー。もはや写真集。
タイルレジェンド・徐嘉彬さんの本。中表紙にちゃっかりサインもいただきました。

まとめ

台湾花磚博物館は台湾の建築文化だけでなく、日本と台湾の歴史的なつながりを再発見する場にもなりました。そして何より、台湾はやっぱり『人』が一番の魅力だと改めて実感しました。素敵な人が多すぎます!
次回行く時には台湾華語をもっと話せるようになって、レジェンド・徐さんとマジョリカタイルについて熱く語りたいと本気で思いました。台湾華語がもっと話せるように勉強頑張ります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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