終電間際は人を欺く
密度の少ない車両に、わんさかと乗ってくる人。
そんな街が渋谷だ。
帰りを急ぐサラリーマン。
千鳥足の若者。
スマホをいじるギャル。
眠たそうな子供。
更にはベビーカーもある。
本当にここは不眠の街だ。
終電間際のこの駅。
私は通り過ぎるだけ。
そしてひとつ先で乗り換えてしまう。
あの喧騒は一時しか感じられないのだ。
終電に追われる人は、たまに判断を誤る。
寝過ごしたり、危ない人について行ってしまったり、倒れたり、朝までコースになってしまったり。
本来なら外にいないこの時間帯との狭間で、私たちはワクワクする。
酒が入っているなら尚更だ。
誰しもが体験したことのある、深夜の背徳感。
あの、「いけないことをしている」「私たちしかいない世界」に入り込もうとしている。
終電は、そこから救い出す手段のひとつ。
中毒性があるくせに、失敗すれば「もう二度と夜更かししない」と後悔する。
そんな特別な時間。
私は、唯一無二だと思う。
私たちはどこかで「非日常」を求めてる。
もちろん、幸せな。
さあ、果たして。
夜中に幸せはあるのかな?
ちょっとだけ、探しに行ってみよう。
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