韓国アイドルのサイン会でぶちギレた話
Halo at 四畳半の話を書いた時に、また書きますと言っていたお話です。思い返すと、本当にハマったら突き進むオタク気質だなぁとあらためて思いました。
もう時効だと思うので、書きますね。
6年前だったかなぁ、当時応援していた韓国のアイドルグループが、カムバックしたので、サイン会と音楽番組観覧のため渡韓しました。
韓国では、新曲を出して、プロモーションのために各局の音楽番組に出ることをカムバックと言っていて、最初不思議な感じがしたものでした。
日本でカムバックと言うと、活動休止してたの?と思うんだけど、全然意味が違うんですね〜
その頃、韓国では、火曜日〜日曜日まで、毎日順位を決める形の音楽番組がありました。ファンカフェ(ファンクラブ)に入っていると、情報が出て、指定された日時に放送局に行って、並んだり、名簿書いたりすると、番組収録の時ステージを見ることができます。
その時は珍しく長く韓国にいられたので(5泊6日)、「ミュージックバンク」の本番と「人気歌謡」の事前収録・事後収録、「THE SHOW」7の事前収録・事後収録の観覧をしました。それと、初めて韓国でのサイン会にも参加。その他、外国人観光客に向けてのk-pop コンサート、応援していたグループの1人が出演するミュージカルも見に行きました。
今から考えると、そのグループは、2012年がピークだったのかなぁ。その年はまだ日本に来た時に見に行くぐらいだったんだけど、2013年に韓国の歌番組観覧に行った時には、まだまだファンがたくさん集まっていて、それも世界各国(日本はもちろん、台湾、香港、フランス、マレーシアetc)から来ていた感じでした。
でも、一年弱で本当にびっくりするぐらいファンがいなくなっていて・・
結局、その後色んなゴタゴタがあり、メンバー2人抜けて、その後の2015年のカムバックの時には、警備員のおじさんに、今日カムバックだろ?なんでこんなにファン少ないの?と聞かれたぐらいでした。そんなこと、日本からはるばる来てるファンに聞かれても・・来なくなった奴に聞けよ〜とか思ったものでした。
2013年から韓国音楽番組の観覧に行き始めて、3シーズン見た訳だけど、ファンの数がどんどん減るのをアイドル自身も目にするのは、辛いだろうなと思った。もちろん、順位も毎回出る。それに関連して、1位を取れなかったアイドルのファンが1位を取った側が不正したと言う話をしだしたり、なんというか、アイドルもファンも必死にその何週間かを過ごす訳だ。
そのうえ、他のグループとの競争だけでなく、番組観覧やサイン会でのファンを見て、グループ内でも誰のファンが多いか、すぐ分かるので、精神を病むアイドルがかなり多いのも頷ける気がする。
でもまあ、音楽番組観覧は、本当に面白くて、番組制作の裏側が見える感じ。何度も色んな場所に並ばされて、待ってる時間が本当に長くて、本番はあっという間なので、よっぽどの熱意が無いとできないという気もするけど、一人で行っても、だんだん顔馴染みができて、お友達になったり、楽しいこともいっぱいある。
人気があると、カムバック週は、特別に2曲歌えたりするので、セットの変更の間も客席にいられたりして、大道具さんが、トントンカンカンやってるのを見られたり。
新人女性グループで、ファンの数が足りないからと、声をかけられて、全然知らないのに、事前収録に参加したこともあった。ファンの数が少ないほど、大きな声出してとか、拍手も出来るだけ大きな音出してと言われて、一緒に舞台作ってるような気になるんだよね。
当時、「ミュージックバンク」は、事前収録と生放送を組み合わせている感じで、生放送で歌ってパフォーマンスするグループの入れ替わりやセットの変更の時間に、事前収録したものを放送で流していた。事前収録した歌手自身は歌わないけど、その間ステージに出てきて、フルではないけど、パフォーマンスしたり、ファンに手を振ったりって感じだったかな。
生放送観覧の申し込みをして参加する人もいるけど、各ファンクラブに数人ずつの割り当てがあって、運が良ければ、収録見た後に、生放送も見られたりした。韓国のファンの子は、当時一途な子が多く、自分の応援しているアイドルは生放送では歌わないので、割とあっさり帰って、家でテレビを見る方を選ぶ子も多かった。なので、両方を見られたこともあった。テレビ局のスタッフの人はもちろん韓国語なので、細かい集合場所や時間を聞き取るのに必死だった。
そんな中で、韓国語を大まかに捉えたり、想像しながら聞いたり、そんな力はすごく育ったのかなぁ。
そして、問題のサイン会。
韓国に到着した日は、ミュージックバンクの後に、ショッピングモールでの公開サイン会があって、私自身サイン会には参加できなかったけど、サイン会の様子を見ることはできた。
その時は、明日サイン会参加できたら、ああしてメンバーとお話できるんだと、初めてのサイン会にドキドキワクワクだった。
その当時の日本での、握手会、ハイタッチ会などは、本当に一瞬で、一言声をかけるのが精一杯、会話なんててきなかったから、韓国でのサイン会に参加できるのを夢見ていた。
サイン会は、特定のお店でCDを買った人の中から抽選で参加できる人が決まるので、日本から代行を使う人も多いけど、私は、韓国到着後すぐにそのCDショップに買いに走った。
そのお店は、とてもアナログな感じで、ノートに番号が書いてあって、そこに名前を書いていった。何枚買えば当たるのか分からない。何十枚も買ってる人もいれば1枚の人もいる。名前が書いてあるので、日本人の名前を探して、その人の枚数を参考に複数枚買った。
その後、お店のホームページで当選を確認!喜んでホテルの宴会場のような場所でのサイン会に参加した。
その時の順番が、リードボーカル、マンネ(一番年下のメンバー)、リーダー、ラップ担当、フロントマンだった。
リードボーカルは、韓国内でもヌナペン(年上の女性ファン)が多く、母のような年齢の私にも、○○ちゃんと呼んで、サインをしてくれていた。私もちょっとアダルトなプレゼントをジョークも交えて用意して、お喋りした。
そしたら、隣にいたマンネが、「お年寄りに向かって失礼でしょ」と、そのリードボーカルに言ったのが聞こえてしまった。
「おるしん」という韓国語が、韓国人の感覚で、何歳以上の感じなのか、本当のところはわからなかった。でも、自分が見ていた韓国のバラエティー番組や、ドラマを見る限りの私のイメージは、「おじいちゃん、おばあちゃん」を指すことばだった。
確かに私は、彼らの母親と同じ年頃で、彼らの母の中には、実際に孫がいる人もいるわけだから、おばあちゃんという意識も、しょうがないと思うし、韓国は目上の人に対して、失礼の無いようにという意識が日本より強いので、マンネに悪気がある訳では無いことは分かっていた。
その日は私も、全員に日本で準備した、ちょっとしたプレゼントを渡しつつ、お喋りすることで精一杯だった。メンバーと普通に韓国語で会話できることが本当に嬉しかった。
でも、終わってから、どんどん「おるしん」ということばが気になって、おばあちゃん扱いされたことに、腹が立ってきた。
翌日のサイン会のために、明洞のCDショップに行った。今度は、紙に名前を書いて、抽選箱に入れる形式だった。一枚ずつ手で引くから、当たるかどうかは運だと言われ、たくさん買う必要は無いなと、最小枚数買ったのだが、また、当たった。人気が無くなってきているので、倍率も高くないんだろう。
その日は、メンバーのうち一人が仕事で、サイン会には参加せず、サインをもらう順番は、マンネ、リーダー、ラップ担当、リードボーカルの順だった。
そこで、意を決して、私はマンネに向かって、「私は昨日あなたのことばに傷ついた」と訴えた。マンネは最初、「何のこと?そんなこと言ってないよ」と言ってたが、昨日の状況を説明したら、思い出したようだった。「日本のファンは年齢の高い人も多いけど、そういうことは言うもんじゃない」とも付け加えた。私が長々と話していたので、隣にいたリーダーも、私の前の人のサインが済んでしまい、私の話を聞いていた。
マンネは、そんなつもりはなかったけど、傷つけたなら申し訳なかったと誤り、私は自分の行動と、韓国語でベラベラと捲し立てたことに、自分自身ビックリした。伝えたいと思うと、ことばって出てくるものなんだよね。
その翌日か、翌々日の、「THE SHOW」という番組の収録は、平日の昼間ということで、本当にファンの数が少なかった。それに学生さんがいないので、多分彼らより年上のファンばかりだった。
そしたら、リーダーが冗談めかして、「今日来てくれてるファンは、みんな[おるしん]だな」って、ファンに向かって言った。年上とはいえ20代ぐらいが多かった韓国ファンは、「おるしんだって〜」みたいな感じで笑い飛ばしていた。
その時、私だけは、リーダーありがとう、と心の中で思った。彼の気遣いを感じた。ずっと気に病んで、言いたい事を伝えられずにいるより、勇気を出して言って良かったと思った。マンネには、怖いおばさんと思われたかもしれないけれど、一ファンの事を考えて、冗談に変えて笑い飛ばしてもらえたことは、ずっと忘れない。
今はグループとしての活動は無く、名前だけが残っているような状態だけど、それぞれ、自分が納得できる生き方をして、心も身体も健康で過ごして欲しいと、母の年代のファン(元ファン?)としては、心から願っている。