ひとつの部屋にひとりだけ
待ちこがれた一人暮らしを実現してからすっかりふた月も過ぎた。居候暮らし、いいものだったのに今が素晴らしくてもう思い出したくなくなっちゃった。
起きてなにかしらあたたかいものを飲んで自転車を漕いで働き自転車を漕いで帰ってくる。シャワーを浴びてビールを飲みながらレコードを聴いたりギターを弾いたり、ぜんぶ好きなタイミングでできる。誰も帰ってこない。僕しか住んでない。米を炊いて味噌汁か炒めものなんかを作ったりもする。料理してると気持ちが晴れてくる。ひとりでうんまーっなんて言っている。
洗濯機はまだ買わないままでいる。冬のうちはコインランドリーでじゅうぶんだろう。いまだに、備え付けの一口のIHにフライパンで毎日湯を沸かしてる。電気ケトルが便利だし、カセットコンロもほしい。そんなことよりカーテンを買ってないからいい加減さむい。敷き布団も薄いな。ぜったいに必要なものはなんだろな。好きなものが棚や冷蔵庫にちゃんと揃ってるだけで満足なんだよな。いい気分だから寒くても硬くてもぐっすり寝ちゃうんだよな。
11月の終わりに企画をして歌ってとてもいい日だった。SECHIもいい感じだ。真黒毛ぼっくすでもベース弾いたりした。
これからもちゃんと楽しいことが続いていく。
これで自由になった。
これでやっとぜんぶ自分のせいにできるようになる。
あとはやりたいと思うこと、やればいいだけだ。面白い人に出会い続けて面白いことをやるんだ。
ちょっとだけ不安なのは、ほんとうの満足を味わう前に世界が終わったらどうしようということ。でも野望がある限り楽しくやっていけるだろう。いまのところは幸せだよ。わるくなることなんてない。歳をとればとるだけできることはふえていく。
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