すぐそこ

春に東京に住みます。2年いた東京から札幌に戻って1年。また懲りずに、移り住みます。時期をはっきりと決めていなかったけれど、今決めた。桜が見たい。八分咲きぐらいの頃合いには行こう。そうしよう。意地でも3月中ってことだ。

2018年になったとき札幌に帰ってくるつもりは一切なかった。でも1年のうちにやりたいことは音源をつくることだった。音源をつくれば企画をやる気になれる。そして素敵と思う人に自分から巻き込まれに行って、面白いと思うことだけをやる。そうしてもっと面白いことが続く。そのためには自分を整える必要があった。つまらないライブはしないで、言うと格好悪いけど曲作ったり自分そのものを磨いたりする。ならばそれは東京じゃなくてもいいかもしれない。格好悪くても甘えと言われようとなんでもいいじゃないか、ええい帰っちゃえと、強行してしまった。ちょうど去年の今頃に、帰ることを決めた。住んでいた元恋人に話を持ちかけ、両親に電話をかけ、荷物をまとめて、家を引き払い、2月17日に札幌に戻った。帰ってすぐ録音にとりかかり音源は2枚、自分の姿をしっかりと残せた。ライブはそんなにやるつもりなかったけどなんだかんだ月に1,2本をやり地元の夏祭りや関西で歌ったり、東京で企画もやり、先月はワンマンもやった。今月はもうすぐ最高まちがいなしの企画もある。赤と青は2人や4人で活動し音源も作った。奥山漂流歌劇団も夏からここまでたくさん参加した。ハウアユースも冬になり3年ぶりのライブを2つやれた。一年前じゃ信じられないほど大忙しで最高の日々を送った。帰ってきてみて自分が整うどころか、おやおや。じつは簡単なことだったと絶好調を手に入れた。狙いは的中どころか、何枚か上をいった。これはそばにいてくれた友たちのおかげであり、見にきてくれたみんなのおかげであり、僕をあたたかく受け入れてくれた家族のおかげだ。

このままここにいたら、今年のように充実の日々を過ごせると思う。だけど僕にとってそれは変わり映えのしない繰り返しになってしまうような気がする。そりゃあやり方次第なんだけど。気持ちよくないことはやりたくないよ。努力しないって意味とは決定的に違う部分でね。僕がここでやれることはもう完結しちゃっている。だって、やれた時点でゴールだよ。それはどこにいってもそうだ。音が鳴った時点で。でもそれをいろんな人に聴いてほしいわけだ。なにより僕は自分の歌をこういう風に鳴らしたいってイメージを100%叶えられていない。この街に不満はない。だけど満足はできない。音になるよろこびはもっとあるはずだ。鳴らせたとき、届けられたとき、きっとわかってくれるよね。一緒に鳴らせる友達を僕は愛している。歌を好きでいてくれる人を愛している。家族のことを愛している。それだけはわかってくれるかい。それ以外は、今はなにもわかってくれなくたっていい。あれこれ言っても言い訳みたいでいやなんだ。だからこの話は、ぜんぜん誰にもしたくなかったししたくないんだ。僕がどうかはまずは僕が決める。僕がどう鳴るか、気にしてくれたらうれしいよ。だってさ、ずっと前から言ってるようにどこに居たって僕は僕だよ。未来の話をしよう。ずっとイメージしてたこと、前は勇気がでなかったこと、これからはできる確信があるんだ。もしかしたらこれを読んでくれてるあなたと同じように、僕を待ってくれてる人がむこうにもいるんだ。

また明日会うかのように手を振ろうよ。そうしてきた僕たちだから。

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