筑波大学で野ウサギを観察する方法
野ウサギ観察のきっかけ
大学院から筑波大学に進学した身として驚いたことは、キャンパス内に当たり前のように野ウサギがいることである。
学部時代の研究室のプロジェクトでたまに森に入ることはあったが、野ウサギを観測したことはなかった。(山ビルの方がはるかに遭遇する..)
野ウサギは日本全体で数を減らしていると言われており、せっかく筑波に来たんだから観察してみよーとこの1ヶ月くらい取り組んでみた。
そもそも野ウサギとは?
ノウサギ(Hares)はアナウサギ(Rabbits)と全く異なった生態を持つ。
姿形もかなり異なっており、すぐにどちらの種類か分かる。
アナウサギと異なり、ノウサギの観察は難しい。アナウサギの行動範囲は巣穴からせいぜい150m程度であるらしい。一方のノウサギはそれよりも広い範囲を行動する。まず見つけるのが難しい。
そして、野ウサギは危険を感じたときに時速50km程度でダッシュする。観測時に物音を立てるだけで一瞬で視界から居なくなってしまう。
そんなノウサギでもある程度観察の方法が分かってきたので紹介する。
観察場所
一口に筑波大学と言っても、どうやら野ウサギの生息域は限られているらしい。私が観察対象としているのは春日地区の野ウサギだ。他のラボ面から話を聞くに、春日地区にしかいないという説もあるらしい。
春日地区の道は自転車乗り入れ不可の広場(赤い部分)と、裏道によって構成されている。この裏道部分のほぼ全ての場所で野ウサギを観測することができる。ただしこの場所は夏にスズメバチの巣窟になるため、夏季の観測はあまりお勧めできない。
観察時間
野ウサギは夜行性である。そのため、昼間はほとんど姿を見せない。キャンパスの人通りもほぼない、日付の変わるくらいの時間帯が最も観測しやすい。
観察方法
野ウサギは自然界で食物連鎖の下位に位置し、警戒心が極めて強い。ちょっとした物音を立てるだけであっという間に逃げてしまう。そのため、音を立てないことが肝心である。
そして、ノウサギを観察する最大のコツは、うさぎがこちらに気づくよりも先に、ノウサギの存在に気づくことである。厳密には、近づいている段階でちょっとした物音が立ってしまい、ウサギたちは最初の警戒態勢に入っている。この時点では、ウサギたちは自分の存在が人間にバレていないと思っており、じっとして物音を立てなければ気づかれないと思っている。
この最初の警戒態勢の間は、ウサギにある程度近づくことができる。逆に、このウサギがまだじっとしていられると思っている間にウサギの存在に気づかず、不用意に近づいてしまうと、あっという間に逃げられてしまう。そのため、ノウサギの観察では少しでもウサ耳のシルエットが見えたら、極力音を立てない歩き方に変える必要がある。
この方法を使うことで1日に0~1匹、多い時には3匹を目にすることができる。
個体の識別
これもラボ面から聞いた話だが、ここのうさぎは3匹いると言われているらしい。多分これはここに生息している野うさぎの最小値である。私の見立てでは少なくとも4匹存在している。
これは今年の4月に撮影したノウサギである。かなりノウサギらしいフォルムで、アナウサギよりガタイが良い。
ところが最近(11-12月)、ひとまわり小さいうさぎを目にするようになった。
大きめの個体も相変わらず生息しているので、もしかしたら新しく生まれた個体なのかも..?と思っている。
(そもそも外見的には見分けが全くつかない)
個体の識別方法はシンプルで、外見と近づける距離である。大きめの個体は警戒心が強く、こちらがちょっと近づいただけでも爆速で逃げていく。
小さめの個体は、こちらが近づいてもまだ草を食べているような時が多い。さらに小さい個体感でも警戒心に差があり、ちょっとしか逃げずにまた草を食べ始める個体と、かなりの距離近づかれたら全力で茂みまで逃げる個体がいる。前者の個体の場合、数分程度の動画撮影を行うことも可能だ。
まとめ
とにかくノウサギを見たければ、日付が変わるくらいに春日キャンパスにいれば良い。関係者以外立ち入り禁止な上、この時間帯はICカードがないと建物に入れないので、観察する場合はぜひ筑波大学に入学することをお勧めする。
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