東京ドームでSexy Zoneのファンになれた気がした
「セクシーゾーンドームツアー 2022 ザ・ハイライト」の東京ドーム公演に行きました。セットリスト、衣装、演出、メンバーの言葉……。すべてをもってSexy Zoneの歴史を肯定するライブでした。
嬉しかったことも楽しかったことも苦行だと感じたことも後悔も、全部「振り返るハイライト」。 過去曲というグループのハイライトを振り返った上での「Forever Gold」の圧倒的正解感ったらないです。夏のツアー ザ・アリーナではそういう使い方をしていなかったので油断していましたが、がっつりかまされました。
メンバーが終始すごく楽しそうで、新規の私は円盤でしか見ていないけれどSTGAEコンの雰囲気はこんな感じだったのかなあなんて想像します。いつもは楽しくなさそうというわけではなく、これほど感情が爆発したようなところはめったに見られないだろうなと。大きな転機でなければきっとこの姿は見られない。そこに立ちあえて本当に良かったです。
ドームを一緒に夢見た「みんな」ではない自分
ただドームの景色を眺める中で、「ファンのみんなと掴んだ」「みんなが連れてきてくれた」の「ファン」に自分は含まれていないと思っていました。
ドーム発表の映像で風磨くんに抱き着く聡ちゃんや丸ごと包み込むケンティーを見て涙がこぼれたことも、ドームに関するインタビューを読んで感慨深くなったことも、過去衣装や過去ツアーを感じるライブ演出に「MVで見た!かわいい!」「円盤で見たあのときの!」と湧いたのも事実です。
しかし「長く応援してきた人は一言では言い表せない感情なんだろうな」「過去を感じる演出って当時リアルタイムで応援してた人は嬉しいだろうな」と、どこか一線引いていました。
決してSexy Zoneや界隈の空気が悪いというわけではなく、新規が先人に変に乗っかったらいけないという自戒、わきまえないといけない一線だという自分の意識です。長く応援してきたファンの方々がいるから自分は素敵なドーム公演を見られるわけですし、聡ちゃんマリちゃんもいる5人の期間を2か月も見ていない人間が「ファン」のくくりに入っていくのは恐れ多くてできませんでした。
また、ドームの夢を一緒に見てきた自負がさほどなかったのも、一線引く理由でした。仮に応援している期間が短くても、ドームという夢に向かって全力で応援していたら気持ちは違ったでしょう。しかしジャニーズのドーム事情はよく分からない上に基本的に「どこにいても好きなのに変わりはない」なオタクなので、「メンバーがドームに立ちたいって言ってるから立てたらいいなあ。立ててよかったなあ」くらいの気持ちでした。
そんな気持ちで迎えた東京ドーム公演初日の最後の挨拶。風磨くんは「一緒に同じ夢を見てきたことが幸せ」と話していました。
世間一般的にすごいことだというよりも、5人とファンを含む周りの人たちが追いかけてきた夢だから大きな意味があるんだなと改めて感じました。
ただやはり、そこでの「ファン」に自分は入っていない感覚で。ライブ自体は間違いなく楽しかったけれど「Sexy Zoneのファンだと胸を張って客席にいられる日はいつか来るのかな」ともぼんやり思いました。
Sexy Zoneと過ごしたハイライトが少ない者として
その翌日、東京2日目。自分はSexy Zoneのファンだと思えたような瞬間がありました。
「勇気100%」の中で、風磨くんが「Sexy Zoneと過ごしたハイライトの多い少ないはそれぞれだと思うけどこれから一緒に作っていこう」みたいな話をしていました。そのときに「ああ、新規の私も置いていかない人たちなんだ」と思って泣きました。
CDを買っても、ライブ円盤を揃えても、テレビを見ても、ラジオを聞いても、インタビューを読んでも、たった2年間じゃ埋まらない部外者感。ハマったときが自分にとってのハマりどきだと考えているので出会いが遅くなったことに後悔はありませんが「ファンだけどファンじゃない感」を抱いていたとは思います。
でも風磨くんの言葉で、追えなかった過去よりもこの先に目が向いて「自分もこの人たちのファンだと考えていいんだな」と思えました。これまでは少ないけれどこれからはある。自分はそういうファンなんだと。
Sexy Zoneに出会ってからのこの2年間、何度も「好きだな」「ずっと応援したいな」と思ってきましたが、東京ドームでようやくSexy Zoneのファンになれた気がしました。
この"未知"を一緒に歩けば
そして2日目の最後の挨拶で、勝利くんが国立という明確な次の夢を力強く示してくれたことで、「これから先の夢を一緒に見ることで自分はもっとファンになっていくんだ」と思いました。
正直今でも「好きなグループだから国民的グループになってほしい!」「好きなグループだからドームに立ってほしい!」「好きなグループだから国立に立ってほしい!」という発想はあまりなく、個人的にはどこにいたって好きです。
グループ仕事が少なくても、メンバー交代制のラジオが1回10分の週4日で「短い!!」と言われようと、大好きな風磨くんがジャにの部屋のソファの上で「Sexy Zoneあんまり売れてないっすからそもそも」と自己防衛モード(※解釈)になっていても。今のようにそれぞれの活躍を見られて、ブログやラジオ、インタビューで言葉を受け取れて、グループとしては年に何回か新曲を聞けて、歌番組で見られて、運がよければステージの上で歌って踊る姿を見られる。それだけですごいことだと思いますし、十分笑顔になれます。
なによりこうやって「国民的なグループに!」「国立に!」と大きな夢を掲げるのは、自分だったら周りの目が怖いし、挫折したときに何を言われるだろうかと想像してしまいます。不言実行のほうが失うものが少なそうだなあとか思ってしまいます。
でも言葉にすることの力ってこんなに大きいんだなと、挨拶を聞いて思いました。だって言葉にしないと一緒かどうかは分からないから。そうして「そこに辿り着きたいよね」「そうだよね」と同じ思いを持っていることが一緒に夢を見るということで、一緒に同じ夢を見た日々の積み重ねによってその夢がかけがえのない夢になるのだから。だからこうやって言葉にしてくれたことに本当に感謝です。
日々の積み重ねこそが意味を持つのは、アイドルとファンの関係もそうです。見つめた日々の積み重ねによって、その人・その人たちは「自分にとっての」アイドルやスターになるのだと思っています。
だから今はまだ、Sexy Zoneのファンでありながら、もっともっとファンである状態への途中です。仕事で疲れたときにSexy Zoneの歌から元気をもらったり、出張先でロケ地巡りをしたり、Sexy Zoneのことを考えて夜も眠れなくなったり。これまでの、そしてこれからのそんな日々の積み重ねによって、Sexy Zoneは私にとってのかけがえのないアイドルになり、私はもっとSexy Zoneのファンになるのだと思います。
ドーム公演後の今は、「STAGE」を聞くと「歩いてく あなたと この"未知"を」の「あなた」に自分が含まれているように感じます。この"未知"を一緒に歩けば"頂上"が私にとっても夢のステージになるのでしょうか。その答えはきっと、次の夢が叶ったときに分かることでしょう。
初のドームツアー、本当に楽しかったです。夢のような時間を、そして次の夢を、ありがとうございました。