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足踏みしているので、3つの方法を試す。

2024年のいま。
気が付けば、社会人20年、結婚18年、住居購入10年が経っていた。
どれも精一杯やってきた、という自負がある。
それでも時間の経過とともに、ひずみや違和感が出てきたり、これなんか違うなっていう価値観の変化をひしひしと実感する今日この頃。

このまま放置してはいけない気持ちがある。だから、これまで大部分の自分の時間と思考を割いてきた仕事を一旦止めて、余白を作っていろいろ考えてみた。それでもまだ次の一歩がわからなくて踊り場で足踏みしているので、3つの方法をベースに試してみたい。
①抱きしめて、手放す  ②もう一度、向きあう  ③形を変えてみる
①のフレーズはだいすきな吉本ばななさんの小説で心に残ったもの。

「どんどん手に入れては、手放していく美しさ。強く掴んではいけない、あの海も、遠くへ去る友達の笑顔も。抱きしめて、手放していく。」
「君がどんどん変化していくのを見ていると、人間っていうものは、本当にいれものなんだ、と思うんだ。」 

吉本ばなな アムリタ 上・下

■ひとつめ 住居 中古マンションリフォーム10年:
冷蔵庫と乾燥洗濯機と布団乾燥機とシステムキッチンの引き出しが立て続けに調子が悪くなった。これはいらない、とはっきりと言えるものが増えた。
家じゅうにあるそれらを譲ったり、買い替えたり、修理したりした。
物もゴミもプラスチックも、自分や地球への負荷も減らして暮らしたい。 賛同するのは3冊の本。これらすべての翻訳者である服部雄一郎さんにも。

#1『ギフトエコノミー ー買わない暮らしの作り方ー』 
#2 『ゼロ・ウェイスト・ホーム ーごみを出さないシンプルな暮らしー』
#3 『プラスチック・フリー生活 今すぐできる小さな革命』

35年ローンで10年前に買ったこの家に、まだ5年しか住んでいないことに去年気が付いた。家で過ごす時間も大事にしたい。

■ふたつめ 社会人20年/うち東京10年・海外10年:
やりたい仕事を目指して、無我夢中で走ってきた。
神奈川から東京の東へ、往復3時間通勤で遅くまで働いた。朝の通勤ラッシュ回避とストレス軽減で7時からプールで泳ぎ、夜は温泉施設で休んで翌朝出勤したり。昼休みに近所の整体院に駆け込んで、午後からの仕事に集中できるように調整してもらったり。喘息発作をたびたび繰り返し、ステロイドの点滴や投薬でムーンフェイスの顔でプレゼンしたり。なんであんなに働いていたんだろうな。仕事も多かったし、私も要領が良くなかった。でも好きな仕事だったから走り続けた。よくやった。

海外赴任は単身で仕事に邁進した。裁量も大きくなった分、大変なこともあったけどやりがいを持ってまた走り続けた。コロナでは国境が急に閉鎖し、一人駐在になって、それでもプロジェクトを動かし続けて最後は燃え尽きた。それから約3年、リハビリ気分で引き受けた、同じ国での少し分野の違う仕事も、一緒に働いた人たちも面白くて没頭した。仕事以外の時間も楽しかった。

失敗もいっぱいしてきたけど、自信も経験もそれなりに積みあがった今。 この人の専門分野はこれと一定程度、周りから見られるようになった気配も感じる。暮らしも仕事も、やってみたかった仕事や冒険もやり尽くした感がある。
次にやってみたいことがなかなか見えない。そして人生は長い。75歳のプロフェッショナルと働いたとき、自分はその歳で何をしているだろうかと考えた。まだ答えは出ない。

これからまったく新しい仕事をしてみようかとも思った。6か月間、自分の中を掘ってみたり情報を調べたり考えてみたけど、情熱が湧き出るものがなかった。
だから、まずは飯のタネとしてのRICEワークはこれまでの分野の仕事を踏襲して発展させてみることにした。ただし、リモートワークと海外出張の組み合わせで。まだ決定していないけど、実現させたい。
長時間通勤やビルに囲まれた都内で働くことはもうしたくない。家族がいるから日本を拠点にするのが喜ばれる。でもずっと日本国内で働くことを想像すると、自分が苦しい。したくないことはやめる。

LIFEワークは、これまでやってきたことを細々と続けたり、少しづつ大きくしていきたい。LIKEワークのリストはたくさんある。「スナックひきだし」のママ木下紫乃さんの著書に大いに賛同。昼スナママもLIKEワークでやってみたい。

『RICEワーク 「ありがとう」って言われない。お金になる一つ目の場。
LIFEワーク 「ありがとう」って言われる。すぐにはお金にならないけど、いつかなるかもしれない、興味があることをやる場。
LIKEワーク 「ありがとう」って言いたくなる。お金にならなくてもやり続けたいことをやる場。』

昼スナックママが教える 45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気
木下紫乃著

■みっつめ 結婚18年 うち別居生活10年:

じつはこれが肝だ。これまでの別居生活は平和だった。今も(たぶん)。 でも、形を変えていきたいと胸の内から遠慮がちに、でもはっきりと声がする。これまでとは違う自分がいる。そしてその考えを夫に話した正月。大きな一歩を踏み出した。何かが崩れたような気持ち、という返事が苦しかった。それでも向き合い、言いにくかっただろう、と私の気持ちをおもんばかるほどの愛情を示してくれたことに感謝が沸き上がる。やっぱりこの人とも離れたくない。これからも話し合いを続けて、新しい姿を模索して、手探りで形作っていくしかない。自由と幸せのために。

『複数の愛を生きる』深海菊絵さんの著書から。
1) 合意に基づくオープンな関係 2)身体的・感情的に深く関わり合う持続的な関係 3) 所有しない愛 4) 結婚制度に囚われない自らの意思と選択による愛

#1『ポリアモリー 複数の愛を生きる』
#2 倫理と規範のDIY『もう一人、誰かを好きになったとき:ポリアモリーのリアル』

#1深海菊絵著/平凡社新書  #2荻上チキ/新潮社

今年の景色はまだ霧の中だ。これまでとはまた違った霧の中にいるけれど、大丈夫(たぶん)。霧の上には青い空が広がっているはず。
踊り場から一歩、足を踏み出して進んでみよう。

『明日も、どこかで目覚めようと思う。
きっと、生きていて、どこか幸せなところで、新しい気持ちで。
必ず寝た時に持っていた自分の魂のままで。』

吉本ばなな アムリタ上・下


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