あなたの目をお持ちなさいね
たまに無性に本屋さんに入り浸りたくなるんですよね。触れたことのない知識や、まだ見ぬエンタメに出会えるワクワク感が大好きで。
小説や漫画のコーナーで、平積みではなく背表紙がズラッと並んだ棚を眺めて、「どのタイトルが一番心惹かれるでしょう選手権」みたいなことを、楽しんだりする。
今日の一冊を求めて探索中。背後に流れてきた会話の一部がこちら。
「いま流行りのBLでも読んでみる?」
いいかい、お嬢さん。老婆心ながら言わせてもらうよ。
話題だからではなく、読みたいから読む作品をお求めなさい。流されるのではなく、自分の気持ちの流れを汲みなさい。気持ち、その中身は興味や希望や好きなもの。
世間で流行るからには理由がある、きっとそうでしょう。話題になっているのは受け取るものが大きいからに違いないでしょう。ただ、それがあなたにも同じように感じ取れるかは、別の話ではないですか。
世間の審美眼とあなたの審美眼。
新たなものに触れ、心を動かしたり経験を増やすことは大事でしょう。一方で、全てを取り入れる必要はないのですよ。あなたの声が、望まぬのなら。その声を聞いてあげてください。何をしたいのですか。どうしてですか。
あなたの大事な審美眼。周りから見たあなたを大切にするのではなく、あなたから見えるあなたを大切にするのです。あなたを一番好きなのは、あなた自身であられるように。
あなたの目をお持ちなさいね。
老婆心は以上です。
P.S BLコーナー探索してたのがバレバレなのは気づかないふりをしておきまーす。
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