ポジショニングと自己実現
私はいつだって冷静に状況を俯瞰してきた。自分自身が他者からどう見られているかをよく理解していた。
見られ方はポジションで決まる
保育園時代、病弱で入退院を繰り返していた。しばらく時間が空くと、(幼児ならではあるが)それまで築いてきた関係がなかったことになる。退院して保育園に復帰すると、メンバーは同じなのにクラスのヒエラルキーはすっかり変わっていた。
小学校に入学後、保育園の延長線上でスクールカーストの底辺に位置した。いてもいなくても気づかれないような存在である。
小学3年生のとき、クラス替えでスクールカーストの頂点を行くガキ大将と同じクラスになった。昼休みのサッカーの好プレイが認められ、そいつに気に入られた。頂点には頂点同士のコミュニティがある。その中の一員として迎えられ、トントン拍子で私もスクールカーストの頂点グループに入っていた。
その後は、学校生活の中で一貫して存在感を認められ、快適そのものだった。まあ、ゴリラの群れみたいなものである。
成長まっ只中の激変していく時期とはいえ、自分が何か特別変わったわけではない。ただ、ポジションによって見られ方が変わっただけなのだ。
やっぱり見られ方はポジションで変わる
高校時代、学業そっちのけでバンド活動を行なっていた。自分の高校だけでなく、他校の生徒からもとにかく注目された。そして、当時はモテた。
昭和のマンガで見るようなバレンタインデーだった。同級生だけでなく先輩からも後輩からもチョコをもらう。人生で一度そういう経験ができてよかったなとしみじみ思う。
そんなウハウハの高校時代を経て、高校卒業後はアルバイトをしながらバンド活動を続けた。22歳のある日、人生で初めての合コンに参加した。自己紹介でバンドマンであることを明かしたら、それ以降透明人間として無視された。世知辛い。
私は高校時代から一貫してバンド活動に励んでいた。何も変わっていない。変わったのはポジションである。学生が学業をサボってやるバンドと、社会人が定職につかずにやるバンドではポジションがまるで違って見えるらしい。スターとゴミの違いである。
本当のことを言うと
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