ピクニックワークの伏線
5時55分、博多発の電車に乗り込む。駅で友人と合流し、早朝から2人でデイキャンプに出かけた。
コンパクトなバーベキューコンロ2台を使って、それぞれ食べたいものを勝手に食べるスタイル。一緒に行くのに、もはや一人飯。途中のスーパーで食材を調達。
到着。穴場のキャンプ場は貸切状態で快適だった。テントを張り、火を起こし、いざ朝食の準備はととのった。明太子を食べる私、鰻を焼く友人、牛タンを焼く私、ラム肉を焼く友人、キットカットを食べる私。マイペースな朝食を終え、ひと息つく。
あらためて、目の前には大自然が広がっている。立体感がある。バリエーション豊かな緑。どうして緑の度合いで若さや成熟度を感じ取れるのだろう。それは今まで見てきた色がそうだったからなのか、それともエネルギーが先にあって色は後からついてきているのか。そんなことを真剣に語り合った。
いつの間にか私たちは沈黙し、自然に見とれていた。いびきが聞こえる。友人はブルーシートの上で眠っていた。「文化人類学の思考法」という本を手に取り、椅子に腰かけ日向ぼっこをしながら私は読書をした。自然に合う本というのがあるらしい。午前中の陽差しが心地よい。ゆっくりと時が流れている。
私たちは、あまりにもスピードの速い生活を送っている。自然の中にいるとそれを思い知らされ、そして忘れる。人工的なシステムに埋め込まれた人間ではなく、自然と共に生きる動物としての人間になれる。何だか懐かしい気持ちになる。
それから1時間以上経っただろうか。友人は目覚め、ゴソゴソと起き上がった。すっかり陽差しも強くなってきたので、キャンプはおしまい。片付け、キャンプ場を後にし、打ち上げ気分でサウナへ向かい、身も心もとののった。1泊2日の2日目の午後のような気分だねと言いながら、わずか半日のキャンプを終え夕方16時に解散。贅沢な時間を堪能した。
もっと頻繁に自然を感じたいとは思いつつも、私は虫が大の苦手である。田舎暮らしはどうやら難しそうだ。たまにこうして出向くほかない。消去法の都会暮らし。
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