マイノリティがマジョリティ
S.A.Bという秘密結社を運営している。サウナ、アート、ブックを通じて「自己を再定義する」ことを目的とした秘密結社である。反社会的な活動をしているわけではないのでご安心いただきたい。
このご時世なので、今はオンラインの活動がメインである。Zoomで開催している「仮面読書会」はかれこれ次で7回目を迎える。
仮面・覆面をつけて読書会をする。自分の「顔」をなくして、自分や他者の深い価値観に触れることで、内面化したピラミッドの外側を見やすくなるのではないかという狙いがある。
また、決して狙っていたわけではないのだが、自然とデリケートなテーマを議論するに至る。たとえば、英霊であるとか、差別であるとか、日常生活では意見を避けたほうがよさそうなことを、建設的に議論できている。
思うに、このような場は世の中にほとんどない。一般的に、デリケートな話題はタブー視されてなかったことにされるか、行きすぎた当事者意識の感情論に飲み込まれる。
なぜS.A.Bの仮面読書会ではそれができるのか。「実は、場に仕掛けがあるのです」というわけではない。コンセプトづくりにはこだわったが、場で参加者が何を発言するかまでコントロールする気はない。
どんな価値観にも正解、不正解はないという前提を理解し、気難しい話題でも真剣に、そして安全に語り合える。それは世の中の平均から逸脱した「異常」である。今、私が思っているのは「自己を再定義」するためには、タブー的な何かと必然的に向き合うことになるのかもしれないということだ。
マイノリティがマジョリティになる時間。それを正義だとは思わないが、秘密結社が少しずつ秘密結社感を帯びてきたなと実感している。
深海的対話の時間に興味のある方は、ぜひS.A.Bの活動に参加してみてほしい。
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