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「期待する」の反対

「期待する」の反対は?と問われると「期待しない」と回答する人がほとんどだと思います。私もそう答えます。

この「期待しない」のニュアンスが、人によってどうやらとんでもなく乖離しているようです。

期待するでもしないでもない

「他者に期待しない」と、私はよく言います。勝手に期待しておいて、勝手に裏切られて、傷ついたり怒ったりして…それって何か意味あるんだっけ、という考えから、他者に期待しないようにしている。

こう言うと、「寂しい」とか「酷い」というようなことをときどき言われることがあります。寂しい(気持ち)は一旦置いておくとしても、酷い(評価)というのはよく分からない。

「どうせできないやしないんだろう」というマイナスに期待するようなニュアンスで受け取っているのかもしれません。私としては「期待するでもしないでもない」というニュートラルなニュアンスで「期待しない」と言っています。ニュアンスの問題はなかなか根深いです。

ほんとうに酷いのか

「期待する」と「マイナスに期待する」と「期待するでもしないでもない」の違いを見ていきましょう。たとえば、100点満点のテストを受けるAさんに対して、3つを比べてみます。この場合、100点を取れると信じるのは期待すること、100点なんて取れるわけないと信じるのはマイナスに期待すること、100点取れるか取れないか分からない上に100点取っても取らなくてもよいと信じるのは期待するでもしないでもないことです。

私は、3番目の「期待するでもしないでもない」という意味で「期待しない」という言葉を使っています。それを「いいかげんだ」と言われる分にはまだ分からないでもありませんが、「酷い」というのはやはりよく分からない。「100点取れると思うよ!がんばって」や「100点なんか取れるわけないだろう」のほうが、よほど暴力的で酷い可能性があると思うのは私だけでしょうか

出てきたものをありのまま受け止める

ここで、今さら辞書を引いてみます。

期待
良い結果や状態を予期して、その実現を待ち望むこと。
(出典:大辞林)

「期待」の意味をきちんと見つめると、「期待しない」とは、良い結果や状態を予期しないこと。その実現を待ち望んだりしないことであると言えます。

であるなら、先に見たように「どうせ君はできないだろう」「どうせあいつはやってくれないだろう」というのは、予期しまくってますから、マイナス方向に期待していることが分かります。

期待しないとなると、やはり100点だろうと60点だろうと2点だろうとOKという考え方になるのではないでしょうか。何点取るかなんて予期していないし、よい結果を待ち望んでいるわけでもない。出てきた点数をありのまま受け止めて、なぜそのような結果だったかを考えればよいと思っています。

プラスの期待もマイナスの期待もしない

勝手に期待しておいて、勝手に裏切られて、傷ついたり怒ったりして…それって何か意味あるんだっけ。

そこに意味があると思う人は、勝手に期待すればよろしい。それも一つの答えだと思います。

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