独学以前
生涯学び続けることが義務付けられていると言っても過言ではない、人生100年時代を私たちは生きている。
6分
義務教育は15歳で終えてしまった。手取り足取り先生に教えてもらい続けることは、大人にとって現実的ではない。自分で学ぶ。独学が必須である。
余暇の時間も普通に本や動画で学んでいるんじゃないか。そうでないと仕事のアウトプットの質は上がらない。昨日の繰り返しが通用するとでも思っているのか。そんなお花畑な人間はいないだろう。すさまじくスピードの速い現代は学び続けることなんて至極当然ではないのか。
そんなふうに思っていたのだが、どうやらそれは真面目というものらしい。
総務省実施の平成28年社会生活基本調査によれば、日本の社会人の平均勉強時間は6分らしい。
控えめに言って、終わっている。
ググレカス
大人たちが実際にプライベートの時間を何にあてているのか私には知るよしもない。本当に勉強しない日本人が大勢いるのか疑問だ。しかし、よくよく考えてみると生活場面にヒントがあった。
「ググレカス」である。
ググレカスとは、予め自分で調べることを全くorほとんどしないまま、初歩的なことをあれこれ質問するユーザに対して、「ググれカス(または"ググレカス"、"ggrks")」と返答を浴びせるのが一般的な用法である。ググレカスとは「それくらい自分でググれ、カス野郎」の略。 (出典:ニコニコ大百科(仮))
ちょっとキーワードでググれば分かることに悲鳴をあげたり、途方に暮れたりしている人をよく見かける。それぐらいググれば10秒で解決する問題だ。手のひらで10秒で解決できることを他者にヘルプを求める。「え?なんでスマホ持ってんの?」と思う。
分からないことを自分で調べようともせず、目の前の気心知れた人におんぶに抱っこで教えてもらおうとする態度の人間は、まず独学していないだろう。
知らないから調べるではなく、知らないから教えてもらうという思考回路なのである。
機会が拓かれている今
ちょっとしたことも調べようとしない人間が体系だった知識なり、スキルなりを自力で学べるとは到底思えない。残念ながら、独学は不可能だ。
事態は極めて深刻である。自分で学ぼうとしないのだから時代に置いて行かれ、相対的に劣化していくばかりだ。今後の日本社会を考えると、学ばない国民に対し国が学びの機会を手厚く提供しなければならないであろうことが容易に想像できる。
今やインターネットでたくさんの情報に触れられる。オンラインで海外の有名大学の授業を無料で受けることもできる。機会が拓かれている今、言い訳はできない。こんな恵まれた時代にあっても学ばないなんて自己責任以外の何ものでもない。
厳しいだろうか。だとすれば、私にではなく時代に言ってやってくれ。
こんにちは、うえみずゆうきです。もし気に入っていただけたら、応援していただけると嬉しいです。更新のモチベーションになります。