思考停止が多数派を中心に起こりがちな理由について
「道幅10メートルの横断歩道。赤信号のため、青になるまでしばらく待つことになりそうです。しかし、明らかに車は来ていません。あなたは青になるまで待ちますか?それとも赤信号でも渡りますか?」
ぜひ、考えてみてください。その理由も明確に。
赤信号を渡る
私がここで問いたかったのは、赤か青かではなく、その理由です。
面白いことに、赤信号で渡る人ほど明確に理由が言えることが多いです。
「信号って安全のためにあるんだよね?車が来てないってことは、安全なんだから渡るよ」とか「待つのが大嫌い。待ってる時間が無駄に感じるから渡るよ」とか、理由がはっきりしています。
わざわざルールを破るのですから、理由の1つぐらい持っていないほうがどうかしてると言えるかもしれませんが。
青信号まで待つ
一方、青になるまで待つ人はどうでしょう。ここで「当たり前のルールだから」は理由になりません。
考えられる理由をいくつか挙げてみます。
・「ルールを破っているところを他人に見られたら恥ずかしい」
・「ルールを破っていることを怒られたら嫌だ」
・「私は、いつだってルールを守る誠実な人間でありたい」
・「子どもが見ていたら、教育的によくないと思うから」
・「神様が見ているかもしれない」
・「法治国家に生きている以上、社会の秩序を保つためにルールは守るべきだ」
他にもあるかと思いますが、パッと思いつくだけでもたくさん出てきますね。
理由は何でも良いんですが、ここで大切なことは「理由が明確だったか」です。
理由が答えられなかった方は思考停止、理由がボヤっとしていた方は思考停止予備群かもしれません。
当たり前に毒される
青信号で渡るということは、日本では一般的に当たり前のことかもしれません。普段、当たり前のことに説明責任が発生することはないですよね。
何かと「当たり前だよね」とか「普通だよね」で片付けてしまいがちの人は、要注意です。
本当は、背景に自分なりの理由があるはずなのに、考えないうちに、いつの間にか本当の理由に気づけない体質になってしまいます。
当たり前っぽいことほど、思考停止の罠が潜んでいるんです。
多数派に起こりがちな病
思考停止は、多数派に起こりがちな病と言えるかもしれません。
というのも、普段から少数派を経験している人は、自然と理由を考えます。多数派からバッシングを受けたり、冷ややかな目で見られがちなので理論武装するクセがついている。人と違うことを選んでいるのだから、嫌でもその理由を考えざるを得ないのです。
「どうして1日3食、食べているんですか」と聞かれたら、あなたは理由を答えられますか?「ずっとそうしてきたから。考えたこともなかった」なんてことにならないようにしたいものですね。
多数派は非難されることのない安全圏。逆にいえば、思考が止まりやすい危険地帯でもあるんですね。
自分が多数派の立場に所属している瞬間ほど、意識的に自分なりの理由を考えるクセをつけていきたいものです。
追伸
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