さよなら、Clubhouse
Clubhouseから距離を置くことにした。キッパリやめるほどのつもりはないが、毎日続けるほどの動機もなくなった。昔から、私は飽き性らしく、何かに急激にハマっては急激に冷めてしまうところがある。
自分がバカになっていく感じがする
Clubhouseで自分が開いていたルームに毎日滞在してくれた常連さんや、日々訪れる新規の方などとても刺激的で嬉しい、楽しい、だいすき、ドリカムだった。けれど、それは膨大な時間と引き換えに得られていたのが現実である。
そう、単純にいろんなことが追いつかない。もっと他にもやりたいことがあるのだが、そこまで手が回らない。
「牛を忘れる」というPodcastをやっているムロさんと、Clubhouseで毎日のように話していたのだが、彼は次のように言った。
「Clubhouseをやり過ぎて、最近自分がどんどんバカになっていく感じがする」
私はこれに激しく同意した。その上で、「やめたいけど、ついログインしてしまうよね」と笑い合うのが日課になっていた。
ニュースを見たり、本を読んだり、ゆっくり散歩をする時間がClubhouseに置き換わっていた。私は読書や散歩を通じて考える。つまりは考えたいことや調べたいことを掘り下げられない。いつまでも同じ解像度でしか物事が考えられない感覚に陥った。
ニュースに触れていないので、世の中で何が起こっているのか分からない(実際はニュースを見たところで分からないのだが)。
そういう意味で、バカになっていると私は感じたのだ。
ヒトコト出会い
私は友だちの友だちと会話を通じて友だちになるツールとしてClubhouseを使用してきた。そうした使い方から何を得たかったかというと、「新しい友だちができるワクワク」と「自分ではまず思い浮かばないトピックに出会えること」だ。
ヒトとコトとの出会いが、私の幅を広げてくれる。そんな感覚があって、そこに価値を見出して、Clubhouseにのめり込んでいたのだ。時間と引き換えにそれらの営みが行われていたことだって当然ながら理解していた。
ヒトはよかった。しかし、問題はコトにあった。
トピックの消化不良感
せっかく出会ったトピック(コト)が翌日には新たなトピックとの出会いによっていとも簡単に塗り替えられてしまう。
たとえば、ヴィーガンの話で盛り上がった次の日、恋愛の話で盛り上がった次の日、VRで盛り上がった次の日、倫理の話で盛り上がった次の日、転職の話で盛り上がった次の日、言語学の話で盛り上がった次の日、家族の話で盛り上がった次の日、マヤ文明の話で盛り上がるのだ。
本にたとえるなら、どれも「はじめに」の数ページを読んでおしまいという状態が続いてしまっていた。
せっかく興味を持ったトピックがパンパンに膨らみ、消化不良を起こしていたのだ。入門書1〜3冊レベルぐらいの解像度では理解したい気持ちがあったので、この消化不良感にだんだん強いストレスを感じるようになった。
突如としてログインしたくなる気持ちを消化不良のストレスが上回り、ピタッとログインしなくなった。
暮らしの再構築
およそ1ヶ月にわたるClubhouse没頭生活に終止符が打たれた。読書や散歩やニュースに触れる時間や睡眠のサイクルなど、日常を取り戻そうと思っている。
そもそも得たいと思っていたこと自体は得られていたわけなので、「だから、Clubhouseはダメなんだ」とは思わない。
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