差分に生きる

今日より明日、明日より明後日、右肩上がりでいたい気持ちは分かるけれど、それは多分幻想なんだと思います。

人間は、差分に生きています。私とあなたの差、福岡と東京の差、今日と明日の差をつい気にしてしまうのです。

嬉しいですか？

私たちの暮らしを想像してみれば、すぐに分かります。

今日の食事は最高級のステーキです。嬉しいですか？

嬉しいとは限らないのです。肉が嫌いというパターンはしょうがないとして、肉が大好きでも嬉しいとは限りません。

もし、1ヶ月間、毎日毎食ステーキを食べていたとしたら？最高級のステーキよりもみそ汁とかの方が断然嬉しいと思いませんか。

好みの人(性格から容姿から、その他の社会的条件まで申し分のない)から告白されたとしましょう。嬉しいですか？

嬉しいとは限らないのです。実感が湧かないというのはしょうがないとして、実感があっても嬉しいとは限りません。

もし、あなたにすでに家庭があったとしたら？しかも、家庭は結構マンネリ化してつまらない感じはするけれど、離婚に至るような決定打は何もない。それに子どもは可愛いし、まだ手がかかるとしましょう。

告白は嬉しいというより、複雑で何か切ないですよね。

人間は文脈や状況との差分でしか、プラスとマイナスを認識できないのです。