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無茶な提案

世の中のマイナス感情の多くは、感情と論理をうまく分けられないことに起因する。私はそう考えている。

それはそれ、これはこれ。

嫌な気持ちにはなるが、論理的には間違っていないことはいくらでもある。また、良い気持ちにはなるが、論理的には正しくないということもある。

「論理的に正しいんだから、気持ちに固執するな」とか「論理的に合っているからといって、気持ちを無視していいわけじゃない」とか、感情が正しい場面もあれば、論理が正しい場面もあるわけで。前提となる条件やそれまでの文脈に左右される。

後悔しない決定をするためには、感情と論理を分離させ、それぞれ別々に検討しなければならない。自分の中の感情と論理のバランスを取らなければ、不満足な気分がすぐに襲ってくるだろう。

衝動性や暴力性の低いタイプのサイコパスは、感情と論理を分ける力が異常に高い。誰かに反応するかたちで感情を動かされることはほとんどない。結果、感情と論理を分け、冷静に分析することができる。

それ単体は、刺激の多い現代社会においてはとても生きやすい特徴だと言える。「感情と論理をうまく分けられたらいいのに」という声もよく聞いたりする。

この力は、筋肉のように負荷をかけていくことで増強されるものなのか。訓練で伸びるものなのか。

先日、まさにこのことについて主張している人がいた。

「苦しんでいるのは、感情と論理がごちゃ混ぜになってしまっているからだ。人は感情と論理を分ける訓練をするべきだ」と言っていた。

私は言った。

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