仕組みをつくる
大きな組織には、おおよそ仕組みというものがあります。誰にどのような責任があり、何をどのように意思決定するのかという大きなものから、業務にいたる小さなところまで、ルール化されているところもあると思います。
「仕組み」というのは、レギュラーとイレギュラーを分け、レギュラーを明文化することであり、それは半自動化装置であるわけです。仕組みが、きちんと時代や自身の状況にマッチしていれば大変効率的ですね。
仕事柄、さまざまな企業に訪問することがあるのですが、仕組みの充実がはかられる境界線は従業員100名のところにあるように思います。100名未満の企業では、なくてはどうしようもない仕組みはさすがにあるけれど、現場レベルでの仕組みが少ない。レギュラー業務が属人化し、イレギュラー業務となってしまっているような印象です。
場合によってはコンサルタントの言われるままに、無理やりルール化したような企業もあるようです。そうした企業は、建前上の仕組みはあるのですが、内部の社員が矛盾に苦しんでいる姿もよく見かけます。そうしたコンサルタントにならないように気をつけたいものです。
仕組みって難しい。
私が働いている会社は数人のドベンチャー企業です。仕組みなんて皆無と言ってよいと思います。昨年から、少しずつスタッフが入ってくれるようになり、価値観や業務を伝えていくことが増えてきました。
仕組みのない「何でもあり」の組織は人が少ないときは、よいでしょう。「何でもあり」と言いながらも、暗黙のルールや価値観が共有できているからです。けれど、だんだん人が集まる中で、「何でもあり」は文字通り「何でもあり」になってしまいます。
一つひとつのことを、わからない人に向けて理解しやすいようにハシゴをかけていく作業は、思った以上に膨大です。
よりシンプルで本質的な仕組みだけにしたいと思っていても、一旦はすべてを洗い出し、削ぎ落とし、何度も検討する必要があります。地味な上に膨大な時間がかかります。
しかも、少人数の組織では、ほんの誰かが動けないだけで会社の機能の大部分が停止するのです。仕組みづくりをしている間に、マーケティングなど利益を生み出す活動に時間を割けなくなる。何事もトレードオフなのです。
こうして小さな企業は仕組みづくりが後回しになりがちです。いざ、人が増えて、「そろそろ仕組みをつくらないと」とか言い出しても、急すぎる改革は大変な反発を食らうのです。
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