有料課金に込めた思い
「あなたはエンタメが苦手と言っていますが、noteで月額課金の有料マガジンを販売していますよね。それにはどういった意味があるのですか?」
とても興味深い質問だった。
私のnoteは、人を楽しませるための娯楽としての課金だと思われてしまっているのかもしれない。
誰かを楽しませるつもりなど想定していなかった。けれど、それについて説明したことはない気がする。
今日は私のnote有料マガジン「脳内議事録」がなぜ有料なのか、なぜ月額課金モデルなのか、そのあたりを整理したい。
私がnote有料マガジンをやっている理由は3つある。
①責任感を持つため
「本音は傷つく、高くつく」というワードが、脳内議事録を始めるにあたって持っていた、最初のただ1つのイメージである。
傷つかない、傷つけないために本音を抑えて生きていると、だんだん自分自身がしぼんでくる。自分自身を見失いそうになる。
本音を言語化したい。でも、書いたり書かなかったりしていたのでは、ただの憂さ晴らしみたいになってしまいそうだ。
調子の良いときも悪いときも、本音を日々晒していくことができたなら、人生で考えたことが膨大な文字として積み上がっていく。それに価値があるのかは分からないけれど、積み上げてみたいと思った。
「生きていた証として」というと大げさかもしれないけれど、死ぬまで書くんだと思ったらロマンを感じた。
有料にした理由の1つは、継続への責任感を持つためだ。簡単に「書くのやーめた」とならないようにしたかった。自分自身に書くという責任を課すために、金額を設定したのだ。
質ではなく、量への責任である。
②誹謗中傷へのハードルを課すため
脳内議事録を始めた2019年は、Twitterの誹謗中傷は過激さを増していた。SNSは、何とも生産性のないネガティヴで危険なツールだと思うようになった。
見なくてよいものを勝手に覗いて怒っている人たちがいる。悪いけど、そんなのめんどくさい。
私は、誰にも忖度せずに自分の本音を書き残し、積み上げたいと思っていた。本音は鋭い刃である。意図せず誰かを傷つけてしまう可能性しかない。雑音はなるべく消し去りたい。SNSは少々危険すぎる。
トラブルを避けるためには隠せばよい。たとえば、カギをかけて許可した人だけ閲覧できるとか。でも、それでは知り合いにしか許可できそうにない。別に、知り合いに読んでほしくて書いているわけでない。
知らない誰かにも読んでもらえるようにしたい。であるなら、私が選ぶのではなく、選んでもらえるかたちをとるほかない。
ある程度の覚悟をもって読んでもらえるなら、建設的な批判こそあっても、よくわからない誹謗中傷はないだろう。そんな理由で、課金というハードルを設定した。
③存在の支援として
脳内議事録というマガジンは、文章を販売しているのだろうか。確かに、記事が詰め込んである。お金を支払うことで記事が読めるようになる(+時々、音声コンテンツも)。どう考えても、コンテンツを売っているように見える。そのようにしか見えない。
ところが、当の本人にはそのような意識はあまり持っていない。
文章を販売しているつもりもなければ、オンラインサロンのようなコミュニティを販売しているわけでもない。私はこのマガジンを通じて、私の心の中を覗く権利を販売していると思っている。心の中をたまたま文章という形で保存しているに過ぎない。
1本ごとの価値というより、集合体としての価値だと私は思っている。私の価値観の変遷を見つめることもできるし、いつか過去のコロナの時代を振り返ることなんかもできる。量が増えるほど、価値が高まっていくものだと考えられる。
理屈ではそうなんだけど、実際は毎日読むのも疲れると思う。それに、1,800円もあればNetflixに契約できる。(私のマガジンに限らずだが)Netflixと比較したならほとんどすべてのコンテンツは勝てない。
コンテンツとしての付加価値で考えてしまうと難しい。私に関していえば、楽しませようとすら思っていないのだから、ひどいものだ。
正直なところ、読者の方がどのような意味で有料購読してくださっているのかは分からない。世界は有益なもので溢れかえっているのだから、何か利益を求めて私に1,800円を支払ってくれているとは考え難い。
きっと応援の意味もあるのだろうと、勝手にそのように解釈している。
そう、有料マガジンにしている3つ目の理由は、「スキル」ではなく「存在」で生きていけるのか、ただの本音の集合体が付加価値として認められるのかという私の人生をかけた壮大な実験の1つとしてである。
まとめ
私が「脳内議事録」というnoteマガジンを有料にしている理由は3つ。
1. 継続することに責任感を持つため
2. 誹謗抽象などノイズを消し去るため
3. 「存在」で生きていけるのかという社会実験
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