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脳内議事録

認識の解像度を上げるための思索の旅の記録です。エッセイ、トーク、音楽などさまざまなかたちで頭の中を晒しています。…本音は傷つく、高くつく。
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2020年6月の記事一覧

船を燃やすという生き方

船を燃やすという生き方

ある王は、敵と戦うとき、味方の船に火を放ったといわれています。味方は自分の船で焼け死んでしまうか、敵に殺されてしまうか、敵を倒して船を奪うか、道は3つしかありません。そうやって退路を断って、文字通り命がけで戦ったんだとか。

何かの本で読んだこのシーン。どこの何の王かも忘れましたが、これを試しに実践してみたことで今の私がいます。

このご時世ですから、味方の船に火をつけるのはさすがにどうかと思いま

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思い出不足 ウィズコロナ

思い出不足 ウィズコロナ

気づいたら2020年の6月が終わろうとしています。

あっという間に。

過去を振り返るときには、つい「あっという間」と言いたくなります。とりあえず言っとけ、みたいな。

世界の体験さて、そんなあっという間の2020年上半期は、なかなか衝撃的でしたね。

新型コロナウイルス。

個人の体験としてではなく、世界中の人たちが1つの体験を共有しました。こんなことは人生で初めてです。

感染症のインパクト

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公園は懐が深い

公園は懐が深い

昼下がり、天気がよかったので公園まで歩きました。平日の仕事終わりによくこの公園を散歩しているのですが、昼間に来ることはめったにありません。

昼の明るさゆえに驚いたのは、タバコの吸いがらがそこら中に捨てられていること。公園中の吸いがらを数えれば数百本は越えそうな勢いです。

一体、どこの誰がタバコをポイ捨てしているのでしょうか。

JTの2018年「全国たばこ喫煙者率調査」によれば、日本の人口の1

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文脈と視点と説得

文脈と視点と説得

誰かと関わって生きていく以上、誰かとの相違が自分の思う道を閉ざすことがあります。

それは人生の進路のような大きなことでもあるし、来月のお小遣いのような絶妙なゾーンのことでもあり、本日のランチのような軽やかなことでもあります。

道を閉ざされたとき、あきらめがつくのならそれでよいのですが、もしそうでないとしたら。相手を説得してみる価値はあるかもしれません。

説得というと、ぐうの音も出ない正論を言

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毎日投稿のコツを伝授します

毎日投稿のコツを伝授します

2019年11月から、noteを毎日投稿するようになりました。

「毎日投稿」と言いつつ投稿できていない日が数日ありますが、投稿できなかった日の振り返りも含め、ほぼ毎日投稿してきたことで分かったコツを今日はご紹介したいと思います。

細かいテクニックは後まわしです。もし具体的なノウハウを探しているのだとしても、まずはこの文章を読んでからでも遅くはないでしょう。

続けるコツは、たったの2つ。

答えのある排除、答えのない淘汰

答えのある排除、答えのない淘汰

答えが決めつけられることに対して、窮屈に感じてしまいます。答えがないこと、答えを自分で決めてよいこと、そういう態度に心地よさを感じます。

この宇宙に勝手に意味づけしてガチガチにしてしまっているのは人間であって、絶対的に決まった意味などこの世に存在しないという立場を私は取っています。答えがあると思い込んでいる人たちの認識に巻き込まれるのは窮屈なんですね。

自分に合った答えを出す方向性私ほど強烈で

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予兆と予感

予兆と予感

2009年頃、まだ「ユーチューバー」という言葉もない頃、バンド活動の一環としてYouTubeに動画をアップしていました(画期的だったのは、演奏をアップするのではなくバラエティ番組として配信していたこと!)。ぼんやりとYouTubeの可能性を感じながらも、企画力も乏しくネタ切れであえなく自然消滅。

iPhone3Gsの発売と共にスマホデビュー。ほば同時期にTwitterデビュー。SNSで影響力が生

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待ち遠しいという感覚の欠落

待ち遠しいという感覚の欠落

「明日、焼肉パーティなんです。楽しみだな。待ち遠しいな」と友人が言っているのを聞いて、ふと気づいたのです。私の暮らしに、待ち遠しいことなど1つもないことに。

「待ち遠しい」という感覚は、誰にでも、何歳になっても湧き起こるものなのでしょうか。

たとえば、好きな人とのデート、旅行。

「待ち遠しい」と言えばこんな感じの案件に対して湧き起こるものではないかと想像しているのですが、このような場合におい

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短文を書くのが億劫になった

短文を書くのが億劫になった

短文で何かを伝えることが億劫になってきました。

文章においては、誤った解釈を少しでも防ぐために少なくとも文脈を伝えられるボリュームが必要だと思います。

解釈の問題は、何かを表現する以上必ずつきまとうものです。時に人を傷つけてしまうことだってあるでしょう。ある程度まとまった文章を書いてみたところで、解釈はさまざま。それでも、短文の解釈の振れ幅よりはマシかなと思っています。

先日、ある方からコメ

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マイナス19歳

マイナス19歳

高校時代にきちんと勉強しなかったことを悔やむときがあります。何事もトレードオフ。勉強時間と引き換えに他のことを体験してきた自負はあります。

きちんと学んでおけばよかったなという気持ちは、それでもやっぱりあります。

世の中の物事は、高校レベルの知識がしっかり頭に入っていれば、ある程度多角的に見れるはずなんですよね。少なくとも、深掘りするための土台にはなる。受験勉強一辺倒の暗記学習だとそうはいかな

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何に対して不真面目であるか

何に対して不真面目であるか

真面目か不真面目か。人はそんなに単純ではないと、考えてみればすぐに分かります。

私のことを不真面目だと思う人もいれば、真面目だと思う人もいる。実際、どちらも言われることがあります。

私は不真面目なのか、真面目なのか。どっちの人間なのか。

そんなことを考えたところで、ろくな答えにたどり着かないでしょう。どちらの要素もあるからです。

真面目さは領域ごとのパラメータ一貫性のない人に関しては気分で

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体験のオンライン化について

体験のオンライン化について

およそ機能で語れてしまうことはつまらないなぁと思うのですが、理由はテクノロジーの存在感にあると思っています。

まだ、機能にしがみついてるの?これだけモノやサービスが溢れている中で、人間がさらに働こうとしている態度にげんなりしてしまうことがよくあります。

働きたくて仕方ないのなら止めませんが、多くの場合、生きるためのお金を稼ぐためにもっと働かなければならないと思い込んでいる。これだけモノやサービ

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隙だらけのひととき

隙だらけのひととき

隙だらけのひととき、たとえば散歩をしているとき、たとえばサウナを出て水風呂に浸かっているとき、ポコポコと疑問が湧いてきます。

五感から得られる情報が取っ掛かりになることが多いのですが、それは何の変哲もない風景だったりもします。いつもなら気にも留めずに流れてしまっていることが、隙だらけのひとときには妙に引っかかり、疑問として浮かんでくるのです。

ついさっきまでサウナにいたので、今日浮かんできたい

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「見るだけ」は見るだけじゃない上に見れてさえいない

「見るだけ」は見るだけじゃない上に見れてさえいない

施設見学、会社見学、授業見学など、世の中には「見学」と呼ばれる学びがあります。

一度見ることで現場を知ったような気になる学習のことを言うのですが、果たして見学にどれだけの意味があるのか、私は疑問を持っています。

たとえば、私が20名の前で30分ほど講義をするとしましょう。次の①〜⑤は、同じ内容の講義を行う(行おうとする)ものとします。

①私+受講者おそらくこれまでの時代のもっともシンプルな講

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