はるのなか

静かな春の花びらの
とどまる波に足を止め
飲めぬ歌えぬそれゆえの
在るに気がつく花見時
通りを抜けてく足取りは
去年までとは違うもの
ひとり泣いた春
三人で泣いた春
祈って願って見つめた日
あの頃よりは年重ね
あの頃よりは強くなり
弱くなった部分もあるが
明日も春のなかをゆきいきる

#自由詩

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八岐屋ともく
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